片づけ・断捨離書評

モノのために家賃を払うな! by あらかわ菜美 〜 無駄なモノを買うな!! [書評]

片づけ・断捨離書評
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ブックレビュー2010年の119冊目は、あらかわ菜美氏著、「モノのために家賃を払うな!」を読了。

整理整頓本。この手の整理整頓本は過去に何冊か読んだ記憶があるのだが、本書はかなり秀逸かつユニーク。

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モノのために家賃を払うな! by あらかわ菜美 〜 無駄なモノを買うな!! [書評]

以前読んだ本は風水に結びつけて整理整頓を説いていたが、本書は極めて現実的かつ論理的、明解である。

とにかく分かりやすくストレートなのだ。

タイトルがそれを如実に示しているとおりで、部屋の1/3がモノで埋まっている家の場合、家賃の1/3はモノのために払っている、という論理は絶対的に正しい。

そしてその家賃が20年分、30年分になった時の金額を示されれば、嫌でも納得してしまう。

良く考えれば当たり前だが、日々メディアに洗脳されている我々には気づけないことが、ズバズバと小気味よいテンポで書かれているので、読んでいて痛快だし、実際自分の部屋に溜まっているモノをどんどん処分したくなってくる。

たとえば、これも当たり前のことだが、「どんなに安いものでも使わなければ高い」というもの。

ネット通販やディスカウント・ショップで大量に衝動買いしてしまったモノが押し入れや引き出しに詰まっている。

たとえその商品を購入した対価が定価よりも安かったとしても、使わなければ価値はゼロである。

そしてその使わないモノを収納するために使っている引き出しのスペースは、単なるデッドスペースであり、そのデッドスペースに毎月家賃を払うなら、安売りで買ったモノはとてつもなく高い買い物ということになる。

ろくに使わないモノを買うと、以下のように損をする。

買う時に対価を支払い、使わないのに収納スペースに延々とお金を使い、さらに不用品として処分する時にもモノによっては廃棄コストが発生する。

こんなばかばかしいことはない。

もちろん損得勘定だけについて語っているわけではない。

モノがでたらめに詰まった部屋では、落ち着いてモノを考えたり勉強したりもしにくいし、部屋がぐちゃぐちゃならば人を呼ぶこともできない。

掃除も大変だしモノを探す時間も余分にかかる。良いことは何もないのだ。

そもそも我々はしばしば「もっと広い家に住みたい」と漏らすが(僕も漏らしたことが何度もある)、その「広い家」とは物理的な広さのことではなく、ゆとりある空間を指しているのではないか。

だとすると、20年前に一度読んだきりの本やiTunesに取り込んでしまって恐らく二度とディスクで聴くことはない大量のCDなどがギッシリ詰まった部屋から、それらのモノを排除すれば、同じ部屋の広さでも家具が大幅に減り、結果としてゆとりある部屋にできるという著者の説明には強い説得力がある。

本は図書館で借りれば増えないし、お金もかからない。

CDだって図書館で借りられるし、今では音楽配信も充実してきた。

洋服だって何年も一度も着ていないシャツやセーターを「まだ着られるから」という理由だけでストックしておくことにはまったく意味がないのだ。

まだ使えるモノを捨てるのが忍びないというならば、オークションに出してもいいだろうしリサイクルすることもできる。

とにかく自分の生活圏から不要なモノを駆除することを徹底的にすることで、それまで見えてこなかったシンプルで心地良い空間が出現するのだ。

一方で、本書では、毎日使う品にこそお金をかけてこだわれ、と説いている。

毎日使うボールペン、マグカップ、布団、鞄といった生活必需品にこだわりを持つことで、不用品を無駄に買うという空虚な欲求が発生しにくくなり、シンプルライフが実践しやすくなる。

と、偉そうに書いているが、僕自身モノが多い部屋で生活している。

本書を読んで非常に気合が入った。不要なモノをどんどん売却・処分して、皆があこがれるようなシンプルかつカッコいい部屋を作るぞ、と誓ったのであった。

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