風のない静かな夜に舞い降りる、
糸を引く、冷たく細い雨は、
コンクリの街を包み込み、
上澄みの熱狂を奪い去るように、
冷気を流し込み続ける、
首都高を走る車達がはね上げる水の音、
橋脚が軋み続け、
轟音は今日も鳴り止むことがない。
欲に身を任せることは罪であるが、
罪に対しての神の罰は、
自らが罪を犯しているということに気付かないほど盲目に欲に耽ることである、
どこかの神は僕にそう言い続けているが、
僕は行くところまで行こうと決め、
自らの欲に身を任せ、
真冬の海を漂い続ける。
It's no Game / David Bowie
What in the World / David Bowie
Haru/
shin-ya b/
かおり
安原/
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みやちょ/
ねぎねぎ
ぶくぶくと脂ぎった顔をたるませて、
ラードの缶を抱きかかえるように、
路地裏で僕はラードを貪り食っている、
冬の雨が下着まで染み込み、
ガタガタと震えているが、
そんなこと一向に気にしないという様子で、
冷気ですっかり白濁し凝固したラードを、
ネコの毛だらけの汚れた爪で掬っては、
ネコの血にまみれた紫色の唇になすりつけ、
唸るようにつぶやき続ける、
我に神の加護をと、
視線の先に漂う灰色のビルに灯る赤い点滅灯、
大声で喋りながら歩き去る白人のカップル、
雑音の中から話しかけるニナの声、
僕の机の周りには雪はまだ降らず、
冷たい雨が、僕の骨髄を少しずつ溶かしていくのみ。
Nora/
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