あなたの温もり 思うこと  不明編




1997年1月12日(日)

Supervixen / Garbage


コンクリでガチガチになった街を歩いている、


数え切れない程の人々がコツコツ靴を鳴らしながらすれ違っていく、


人込みの息苦しさに朦朧とし、


ふと、息を止めてみるが、


人々の熱気にアスファルトは溶解し、


ミドリ色のソウルを吐き出しながら、


左手は小刻みに痙攣し続け、


利己的な遺伝子から生まれ出たモラルアニマルは、


黒鉄色の子宮の出口を骨の透ける指で愛撫しながら、


熱いジンを一気に飲み下す。


キプロスに翻るトルコの旗が、


ペルセウスの眠りを覚ますように、


悲しげに鳴り続けるハードディスクの内側には、


蝙蝠の金属的な赤い眼が光り、


うつぶせに羽ばたく黒鳥の翼が糸のように細い月と、


海王星の軌道を遮り、


マケドニアの王は悲しみに目を伏せ、嗚咽を漏らす。





コンクリ漬けの街の中を彷徨い続け、


人々の無気力な行進に逆らい、


思わずしゃがみ込んだココロは、


蹴っ飛ばすと、


カラカラと鳴り、


眩しさに細めた眼を開くと、

ハレーションの向こう側に、


両手を翼のように大きく開き、


僕に向かって微笑む、


あなたの笑顔があった。




Space Oddity / David Bowie


透明の薄い粘膜に包まれて、


僕は眠り続けている、


粘膜の向こうには黄色い太陽が透けて見えるけど、


毛細血管を流れる細い細い血の流れが、


全ての不安や恐怖や絶望を吸収してしまって、


絶対的な安心感に満たされている、


遥か彼方から聞え続ける心音に包まれ、


熱さも寒さも感じずに、


僕は眠り続ける、


馭者座のα星を横切るように進む白色矮星が、


僕の眠りを醒まそうとやっきになっても、


僕を包む薄い粘膜がγ線を全て遮ってくれるから、


青白いα星の明滅さえも、


僕に届くことはなく、


昼も夜もなく、


老いも死もない空間を、


僕を包む世界は、


ゆっくりと、


ゆっくりと、


静かに回転し続け、


その中で僕は、


目覚めることなく、


眠り続ける。






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