あなたの温もり 思うこと  不明編




1997年2月8日(土)


Communication Breakdown / Led Zeppelin


流れ着いた海岸で僕を待っていたのは海象の姿をした巫女だった、


塩水をたらふく飲み込んだ僕の腹に耳をあてくすくすと笑い続け、


鉛色の雲を突き抜けるように稲妻が光った瞬間に、


片足を砂の中にめり込ませるように回転し、


僕もろとも高波に呑まれ、


奪われた唇に猛烈な勢いで口移しに原油を流し込み、


ぱっくりと開いた傷口から流れ出るダイオキシンのミドリ色の廃液が、


夜泣きを続ける精子の流れに逆らうように、


段ボール箱に詰め込まれたまま、


極東戦線へと運搬されていく。




うつむいた瞳に黄色い月が二つ昇るとき、


コンクリ漬けの胃は硝酸の香りに溶け始め、


シコリに軋む豊かな乳房は堅く張り詰め、


腐乱した生殖器の陳列棚に整然と並ぶ。




墓地へと続く行列の最後尾に、


驢馬の皮を剥いで纏う占星術師の笑い声、


黄道を横切る火星の帯に惹き付けられたまま、


熟れたクリトリスに接吻し、


喘ぎ声をかき消すように、


蝙蝠達は共食いをやめることはない。




The Dreaming / Kate Bush


ぱっくりと開いた傷口を舐めています。


赤い舌を堅くして先端で膿を掬うようにして舐めています。


あふれ続けるどす黒い血は粘着質で、


喉の奥にひっかかるように纏わり付き、


舌の先は痺れるように感じますが、舐め続けています。


どす黒い血は静脈から流れ続け、


僕はそれを舐め続けるのです。


ずっと舐め続けるのです。


ずっと舐め続けるのです。


いつまでもピチャピチャと音を立てて、


朽ち果てるまで舐め続けるのです。



Deity / Ministry


風が吹いている、西からの乾いた風。


国境の街には亡国の旗がはためき、


200メートル置きに立てられたスピーカーからは書記長の演説が流れ続ける。


打ち震える子供たちの頭上を、


シコルスキーは爆音と共に通り過ぎ、


熱に焦された大地は黄色く変色し乾ききる。


這い蹲った隊列は、


風に逆らい西へと向かい、


国境の旗を銃弾が貫くとき、


凱歌と共に鳴り響くサイレンが、


オレンジ色に燃え上がる西の空に、


カラスの大群を呼び込みながら、


黒い夕暮れが訪れる。




入城する歩兵連隊に与えられる最敬礼は、


泣き続ける子供たちから奪われた子守歌のように、


西瓜のように砕け散ったいくつもの頭蓋骨に群がる、


肉食獣の慟哭と重なり合い、


煙る大地からは硫黄の匂いが立ちこめる。




Enjoy / Bjork










サムイヨル







Nora/ 夜久/ 野原/ 志織/ 武市/ PDPDP/ Akko/ 手島/ som1973/ フナイ/ 石橋/ Shimomi

Haru/ shin-ya b/ かおり
nico/ Kana

安原/ 山本/ わっちゃん/ 松木/ 江口/ うえだ/ おおつ/ たかの/ 貞奴/ 珠貴/ 小夜野

織田/ めい/ 蛭間/ みやちょ/ ねぎねぎ/ いほり/ かやすが/ 稀Jr/ siyoung/ えば



ReadMe!      Nikki Engine     Neo NIkki Links





     







Past     Takeshi Tachibana.     Future



January 1997
December 1996   November 1996
October 1996   September 1996
August 1996   July 1996
June 1996   May 1996
April 1996   March 1996


Reach Me

(c) T. Tachibana. All Rights Reserved. 無断転載を禁じます。tachiba@gol.com