Making Love out of Nothing at all / Air Supply

出産の時以外は一度も入院したことのない、

鉄人のようなばあちゃんもいつの間にか83才。

体にガタもこようというもの。

音大に入るんだと言って親を脅したり、

歌が続けられなくなると言って嫁に行くのを拒否したり、

30才でようやく結婚した相手は結核病みの共産党員、

昭和18年。

母が生まれたのが昭和20年6月24日。

じいちゃんは吐血が続き臥せったまま。

赤ん坊を抱き電車に乗って、終戦後のホテルニューグランドで唄う姿。

ひいばあちゃんは鬱病にかかり押し入れに閉じこもり、

ひいじいちゃんは病気で死んだ。

やがて母も歌を唄い始め、

二人で音楽教室を開いた。

20年前にじいちゃんが長い闘病生活の末死んだとき、

ようやくこれからはやりたいことができると呟いた。

昨日は久し振りに家族揃って食事して、

あーだこーだとくだらない話。

朝は久し振りのばあちゃんのコーヒー。

行ってきますの後に、

頑張って、と言ったら、

頑張るのは私じゃなくて医者だよ、

83才精いっぱいの強がり。

手術は明後日。

頑張れ、ばあちゃん。

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