思うこと




1997年3月19日(水)


Speed of Life /David Bowie


いえーいっっt!、みなさん、こんばんは。思うことです。

何をいきなり喜んでいるかというと、明日はついに休日出勤から解放されたのです。

うううう、先々週の土曜日以来の休日だよ、おっかさん。

いやー、それにしても、翌日が休みだと思っただけでこんなに気分が良いものとは、毎週毎週フツーに休んでいる頃にはあまり実感できないですよね。

なんだか明日は天気が悪いような感じだけど、何はともあれ休みだ〜。

惰眠を貪ってやる。ふふふふふ<不明



What in the World / David Bowie


今朝、目が覚めた瞬間に嫌な予感がした。反射的に目覚ましに眼をやると何と8時丁度。

完全に遅刻である。声に出して「ヤベっ」て言おうと思ったら声が出ない。ひどく喉が痛いので、とりあえずペットボトルの水をがぶがぶ飲んでみたがどうにも直らない。

すぐに支度しなきゃなどと考えつつ再び気絶、次に目が覚めたとき、時計は8時半、カラダ中が熱くてだるい。

だめだ、熱出た。

今日は訪問予定が5件もあり、中にはどうしても先に伸ばせないものもあるので今日は絶対に休めない。何しろこの糞忙しい時期だし。

Losing My Religion / R.E.M.


昼過ぎからクスリが効いてきたらしく(あやしいクスリではない)、大分カラダが楽になってきた。特に節々が痛かったのが収まってきて楽になった。

5件のアポのうちの2件は延期、1件は部下に行ってもらい、自分では2件だけ行くことにした。

表に出るとやはりカラダが重くてだるい。断続的に咳が出てくる。こういう日は守りに徹するに限る。下手に動くとアタマが回転しないので墓穴を掘る可能性が高い。非常に業務的にシゴトを済ませて帰りの地下鉄を待っていた。

何となく真っ直ぐ立っているのがしんどかったので、駅の柱によっかかるようにしていた。

夕方近くの有楽町線のホーム、そろそろ帰りのラッシュが始まろうとしていて徐々に人の数が増えてきている。

卒業式帰りらしい女子高校生の群れが紙袋からおそろいの小さなピンクのバラの花束を覗かせながら通り過ぎていく。袴姿の女子大生もちらほら見える。

僕の左斜め前に2歳ぐらいの男の子を連れた女性が立っていた。小柄で薄いブルーのコートを着ていた。こどもの髪の毛がすごく柔らかそうで真っ直ぐそうでさらさらしていた。

ホームにテープの女性の声が響き、電車の到着を知らせている。何となく僕も柱に寄り掛かるのを止めて白線の手前まできてボーッと男の子のサラサラの髪の毛を見ていた。

ホームの向こう側の端のさらに向こう側の暗いトンネルの奥の方が明るく光り、続いて足下の二本の線路に遠くからやってくる列車の重低音の反響が聞こえ始める。シャーっていうかカーっていうか、そんな感じの音が目の前の線路から響き出てくる。

先頭車両がホームの反対側に姿を現すか現さないかという時、母親が男の子を抱きかかえた。男の子は、始めは母親に抱きつくような仕草をしていたが、電車が近づくにしたがってカラダを垂直から線路側に載りだすように、母親のカラダから反対側に大きく倒した。

電車のヘッドライトが鈍く光っている。軽い乾いたモーター音が徐々に振動を伴う重低音に変わっていく。ホームに風が入り込んでくる。ベンチに座っていたサラリーマン達が一斉に立ち上がり白線の手前に出てくる。高校生達の笑い声が響く。母親はじっと男の子のことを見つめている。男の子は母親に抱かれたまま身を乗り出して電車が入ってくるのを見ようとしている。母親の眼がじっと男の子を見つめている。眼が笑っていない。じっと見つめられていることを知らない男の子は更にカラダを反らし電車に見入っている。

男の子が線路に投げ落とされるような気がした。母親の顔を見ていて急に怖くなった。電車はどんどん近づいてくる。きっと電車がまさに通り過ぎようとする瞬間にきっと母親は男の子を支えている手を放し男の子はホームから線路上に転落しその瞬間に先頭車両が男の子のアタマやカラダを潰して通り過ぎていき線路際に立っている僕には男の子の骨が砕ける音が届き飛び散った鮮血がそむけた僕の顔にもかかるだろう。

両手の掌に嫌な汗がにじんできた、もう先頭車両は20メートル先まできている母親はまだ男の子をじっと見つめたまま微動だにしない男の子は左手を母親の肩に載せ右手を一回大きく振るような仕草をしてもう運転手の顔もハッキリと見えるほどの距離になりモーター音はブレーキの軋みを伴いながら徐々に低くなっていき間もなく電車は母親と男の子の前を通過し僕は骨の砕ける音を聞くことも鮮血を浴びることもなく電車は僕の前を通り過ぎ、止まった。

母親と男の子は僕の正面に座った。

母親の膝の上に載せられた男の子が両手で母親の髪の毛をクシャクシャにすると、彼女はニッコリ笑って男の子の頬にチュッとキスした。

それを見ていた僕は急に眠くなり、自分の体調が完全でないことを実感した。



Supervixen / Garbage


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