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そもそも「悪い感情」「負の感情」などというものは存在しない

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SNSの書き込みや、知人との会話、そして僕の個別セッションに来てくださるクライアントの方との会話の中で、良く耳にする言葉がある。

「負の感情が湧いてきてしまって」「悪い感情を持たないように」などなど。

「負の感情」「悪い感情」、こういった言葉は多くの人が、ほぼ無意識に、そして当たり前に使っているのではないだろうか。

しかし、そもそも、感情に「良い」とか「悪い」とかの区別なんて、あるのだろうか?

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そもそも「悪い感情」「負の感情」などというものは存在しない

皆さんは「悪い感情」というと、どんな感情をイメージするだろうか?

「怒り」「悲しみ」「絶望」「妬み」「無力感」「怠惰」「虚しさ」あたりがすぐに思い付くものだろうか?

では、良い感情というのは、どんなものだろうか?

「喜び」「愛しさ」「楽しさ」「気持ちの高ぶり」「清々しさ」あたりは、良い方に分類されるだろうか?

でも、「悲しみ」というのは、絶対に悪い感情に分類されるかというと、そうでもない。

たとえば近しい人が亡くなったときの悲しさ。

大切な人を亡くした悲しさは、言葉にできないもので、できれば避けて通りたいものだが、死は避けることができない。

でも、その悲しみは、亡くなった方を大切に想うからこその気持ちの表れで、「悪い」感情ではないのではないか、とも言える。

むしろ、しっかり亡き人を見送るための、とても尊くて大切な感情であるならば、それは良い感情なのではないか。

もう一つ、「嫉妬」という感情がある。

嫉妬も負の感情の代表格とされているが、これも必ずしも悪い感情とは言い切れない場合もある。

他人の成功に嫉妬する。

「あいつだけが成功してずるい。悔しい。何とかしたい」と憤る。

ここから、成功した他人を攻撃したり、引き摺り下ろそうと行動したら、それは確かに悪であろう。

でも、嫉妬を原動力として、「あいつ以上の成功を目指そう」と、自分を奮い立たせるならば、嫉妬というのは、立派な志しに変化する、良い感情に転化できる。

つまり、感情には良いも悪いもなく、ただ単に、心の奥から湧いてくる、人間の自然な作用だ、ということなのだ。

ここで大切なのは、感情に「良い」とか「悪い」というラベルを貼って分類しているのは、私やあなた、感情の持ち主の人間である、ということ。

感情には良いも悪いもないのに、「これは良い感情」「これは悪い感情」とジャッジをしてしまっているのだ。

そして、私たちは、多くの場合、「悪い感情なんて持っていてはダメだ」と決めつけてしまう。

感情には良いも悪いもなく、心の奥から湧いてくる自然なものなのに、その一部の「負」とか「悪」とレッテルを貼ったものだけを、「こんなものあってはダメだ」と決めつけ、「なかったこと」にしようとしてしまう。

「嫉妬なんかしちゃダメだ。ニコニコ笑って送り出さなきゃ」と、ドロドロした気持ちを心の奥に押し込んで、なかったことにする。

「『やりたくない』なんて言っている場合じゃない。これが自分の勤めなんだから、責任を果たさなきゃ」と、本当はイヤなのに、その気持ちを封印して、一生懸命働く。

人間の本来の感情には、良いも悪いもない。

それを私たち人間の思考が、「これは『良』、これは『悪』」と決めつけ、『悪』だけを封印して、なかったことにしようとする。

でも、人間の心は、分類不能なもの。

なので、『悪』だけを封印することなんて、できない。

『悪』だけを封印しようとすると、『良』も一緒に心の奥にしまい込まれてしまい、出てくることができなくなる。

良い感情の中には、「ワクワク」や「これをやり抜きたいというビジョン」「これをするために生まれてきたというミッション」なども含まれている。

だから、感情を押さえ込んでしまうと、「好きなこと」「やりたいこと」「ワクワクすること」がなんなのかも、分からなくなってしまう。

そして心を抑え込み続けていくと、心の奥底にしまい込んだ感情たちが行き場を失い、腐敗して毒を放ち出す。

その毒が溜まりすぎると、心が壊れてしまうのだ。

感情には、良いも悪いもない。

怒りや嫉妬の感情も、あなたの大切な心の作用なのだ。

そのままあっていいし、大切にしてあげていい。

湧いてきた感情に寄り添ってあげれば、あなたの心は安心して、その怒りや嫉妬を解放していくことができるようになる。

「悪い感情」「負の感情」は、あなたが「これは負」と決めてラベルを貼った瞬間に、「悪」で「負」になるだけで、そもそもは、ただそこにあるだけのものなのだ。

感情にレッテルを貼らない。

そして感情を抑え込もうとしない。

自分の気持ちを100%理解できるのは自分だけなのに、その自分すら自分の気持ちをおざなりにしていたら、誰があなたを理解するというのか。

自分を大切にすることから始めよう。

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