エッセイ

「せっかくわざわざ名古屋に来ているのに、駅から出る自由すら俺にはないのか」

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昨夜は23時くらいにベッドに入って熟睡していたのだが、午前3時過ぎにパッと目が覚めてしまい、1時間くらい眠れなかった。

トイレに行きたくて目が覚めたのだが、それ自体は珍しいことではない。

珍しかったのは、トイレのあと眠れなかったことだ。

たいていは、トイレに目が覚めたとしても、再びベッドに入ったら、その瞬間に寝ているのだが、今朝は違った。

多分前日のランチのときに飲んだコーヒーのカフェインが余分だったのだろう。

もともと旅行中、しかもセミナー中なので、朝にコーヒーを普段より多く飲んでいた。

そこに追い討ちで昼にも飲んでしまったので、カフェインが体内にたくさん残留していて、目が冴えてしまったのだろう。

1日くらい寝不足でも別に困らないので、特に焦ることなくベッドの中でじっとしていた。

やがて、目覚めていて妄想しているんだか、眠っていて夢を見ているんだか良く分からない時間が結構あって、そのあともう一度明確に目覚め、また長い夢を見ていて、6時半過ぎに目覚めた。

起きたときは寝不足感はなかったし、5kmランニングしたあとも疲れはなく、むしろ快調だった。

部屋でデスクワークしたりブログ書いたりしている間も特に変わりはなかったが、大阪から名古屋に移動するため、新大阪駅に向かうタクシーの中で急に眠気が来た。

僕は普段食事に炭水化物を食べないので、日中やランチ後に眠気が来ることはまずない。

睡眠にも気を付けていることもあるが、多少寝不足でも、頭のキレが悪いくらいに感じることはあるが、「眠い」と明確に感じることはめったにない。

その、滅多にないレベルの眠気が日中に移動中にやってきて、驚いたけど、何だか妙に懐かしくて嬉しくもあった。

タクシーの中は車酔いするのでパソコンやiPhoneの画面を見ないので、やることがなくなったために眠気が来たのかもしれない。

サラリーマン時代は、いつも怠くて眠くて身体が重くて、移動のときは居眠りしたりボーッとしたりばかりしていたなぁ。

そんなことを思い出した。

そして、この記事を書いている今もちょっと眠いのだが、会社員を辞める直前に仕事で名古屋に出張に来たときのことを思い出した。

当時の僕は刈谷に大口顧客を抱えていて、刈谷に行くために名古屋にちょくちょく出張に来ていた。

名古屋出張はほとんど日帰りで、しかも目的地は刈谷なので、名古屋はただ新幹線を降りて在来線に乗り換える駅。

そして仕事が終わったら、刈谷から在来線でやってきて、新幹線に乗り換える駅でしかなかった。

「せっかくわざわざ名古屋に来ているのに、駅から出る自由すら俺にはないのか」

暗澹たる気持ちでそう嘆きつつ、新幹線駅構内の、まったく無名の店で、せめてもの楽しみに味噌カツやひつまぶしを食べ、急いで東京へと戻っていた日々。

会社を辞める直前は、もうブロガーとしても旅を始めていた。

プライベートで、ブロガーとして名古屋に来ると、行き先もやることも全部自由なのに。

会社員として来ると、滞在時間やどこで食事をするかまで制限がかかる。

そんな日々をとっとと終えて自由になりたい。

そう強く願ったのが名古屋だったことを思い出した。

あれから7年半。

僕は完全に自由に生きている。

悪くないものだ。

あのときの僕にいまの僕の姿を見せてあげたい。

「あのときのお前の決断は間違ってなかったぞ」と。

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