行きたいのに、なかなか機会がなくて行けないお店というのがある。
今日紹介する六本木のフランス料理店、「オー・シザーブル」は、僕の中でそんな「行きたいのに機会がなくて行けないお店」の中でも殿堂入りの凄いヤツである。
なんせ、僕が最初にこのお店の存在を知ったのは、僕が高校生のときである。
当時時代はバブル、そして僕は高校2年生で、六本木のカフェ・バーでアルバイトを始めたばかり。
まさに「色気づき始めた」お年ごろだったのだ。
このお店は、Dpub 3次会で有名?な、「松ちゃん」に向かうものすごい裏路地にある。
この路地は当時僕がアルバイトのカフェバーに通う「通勤路」だった。
高校生だった僕は、まだ彼女もいなくて、でも夜のキラキラしたお店にすごく憧れていた。
「いつかこんなお店に来たいな」
そう思ったまま、なかなかキッカケがなく、行くこことができずにいた。
大人になって30代になり、たまたま路地を通ると、バブルの頃と変わらない姿でオー・シザーブルは健在だった。
「まだやってるんだ!。一度来たいなあ」
そう思いつつ、また日が経って。
そんなことを繰り返し、僕は45歳になってしまった。
初めてこのお店の存在を知ってから、何と28年である。
今回奥さんのお誕生日のお祝いに食事に行こうということになり、食べログで「六本木・麻布十番のフランス料理店」をチェックしていて、このお店「オー・シザーブル」がかなり上位にランクインしていることに気づいた。
まだ頑張っているうえに、ランキング上位とは!
これぞ行くべきタイミングだと、思い切って予約を入れた。
28年越しの初入店である。
紹介しよう。
六本木 オー・シザーブル — 創業36年!超裏道にある「六本木」という名の正統派フランス料理店で妻の誕生日を祝う!!
やってきました、オー・シザーブル。六本木7丁目、旧麻布龍土町の細い裏路地にお店はあります。
六本木の魔窟「松ちゃん」はこの先を右に行ったところ。
六本木らしからぬ、クラシカルで落ち着いた雰囲気。緑も多い。
今でこそこういうお店も多いが、36年前にこの雰囲気というのは、相当すごいことだったんじゃないだろうか。
看板もとってもシックでクラシカル。
ちなみに店名の「オー・シザーブル(Aux Six Arbres)」は、フランス語で「六本の木」の意味。
そう、店名は「六本木」なのだ。
これも洒落ているよなあ。
メニューも全部手書きで、相当のこだわりであることが分かる。
このお店はアラカルト推しのようだ。
店内も本当にオーセンティックな雰囲気。
僕はモダンなフレンチよりも、こういうオーセンティックな雰囲気が好きだなあ。
静かにピアノだけのクラシック音楽が流れる。
そしてこのお店のマダム、関根葉子さんが丁寧にサービスをしてくださる。
僕らのテーブルの後ろには、見事な大輪のカサブランカが咲き誇る。
奥さんがあまりお酒を飲めないので、すべてグラスでいただくことに。
乾杯はシャンパンで。de Canteneur(ドゥ・カントナール)というシャンパン。
華やかでキリッとした味わいのシャンパンだった。
「グラスに耳をつけて泡の音も楽しんでください」とマダム。
なるほどー。
さあ、食事が楽しみだ。
チーズが入ったシュー(名前忘れた)。あつあつでビックリ。
記事がしっとりしていてチーズがトロッと絡んで素晴らしい!
のっけから美味し過ぎて期待値が上がりまくる!
メニューをじっくり検分。
コースが3種類あるのだが、やはりどうもここはアラカルトが良さそう。
ということで、単品で頼んでシェアすることに。
シャンパンに続いては、バターフィールド・ムルソーというブルゴーニュの白ワイン。
すごくしっかりしていて味わい深く美味しかった。
普段はグラスでは出していないとのこと。ラッキーだった。
自家製のパンがホッカホカで登場。
3種類あるのだが、どれもめちゃくちゃ美味しい。
おなかがいっぱいになってしまうので、先にパンを食べ過ぎてはダメ、と言いつつどんどん食べてしまった(笑)。
まずは前菜。こちらはそば粉のクレープ、いわゆるガレット。
目一杯野菜が乗っていて鮮やか、そして下のほうにはチーズが入っている。
ガレットの記事もしっとりしつつパリッと仕上がり美味しい!
奥さんと小声で「ここは当たりだね」と囁く。
フォアグラのソテー、マデラワインソース。
僕はフォアグラが大好物なのだが、奥さんはフォアグラが食べられない。
なので前菜2品目は僕だけがフォアグラをいただき、奥さんはスープをオーダー。
このフォアグラもフレッシュで瑞々しく、ソースの甘酸っぱさと絶妙にマッチ。美味しい〜。
続いての前菜は、真鯛の薫製に徳島のベビーリーフを添えてサラダ仕立てに。
真鯛の薫製は見事にスモーキーで、そこにがつんとパンチの効いたベビーリーフが美味い!
見た目はあっさりだが、かなりインパクトのある1皿。
〆のお肉料理を前に、赤ワインをグラスでいただく。
奥さんは軽めのピノ・ノワールを。
僕は写真のボルドー。マルキ・ド・モレス。
比較的軽めのボルドーで、グラスに注いで時間が経つとすごく華やかな薫りに変わる。
お肉料理、僕は飛騨牛のヴァヴェット、いわゆる「ハラミ」である。
シンプルにグリエしただけ、味付けも塩だけ。
テーブルにはインドの胡椒も出してくれたが、シンプルに塩だけでめちゃくちゃ美味しい。
こちらが飛騨牛のヴァヴェット。見事なレアっぷり。
全然脂がないので旨味と滋味だけ。これは本当に美味い!!
奥さんは飛騨牛の頬肉の赤ワイン煮込み。
一口もらったが、こちらも柔らかくてまろやかで美味しかった。
お料理が下がるとテーブルにどんどんデザートが丸ごと出てくる(笑)。
凄い!
ロウソクを立てて、マダムと店員さんがハッピーバースデーを唄いながら盛ってきてくれた。
ありがとうございます!!
写真も撮ってくださいました。本当に温かく優しく接客してくださって感激。
お皿にはチョコレートでこんなに素敵にメッセージと絵を描いてくれました!
ちなみに奥さんが頼んだのは、奥がモンブラン、手前がタルトタタン。
僕が頼んだのは奥がガトーショコラ、そして手前がタルトタタン。
タルトタタンは「全部リンゴ!」というぐらいリンゴ満載。
いっぽうのガトーショコラはしっとりしっかりして、これまた美味しい。
これでもか、というくらいバニラビーンズが入ったバニラアイスクリーム。
これも美味しかった。
食後はエスプレッソ。
普段夜にはカフェインを摂らないけど、こういう日は特別。
最後のプティフールまで一切手抜きなし。
すごい手が込んでいて、何もかもが美味しい。
食べ切れなかったパンを包んでくれた。
トリコロールのリボンが可愛らしい。
まとめ
お店の存在を知ってから28年にして初の訪問。
一言で言えば、「もっと早く来るべきだった」。その一言。
どのお料理もとっても丁寧かつ繊細に作られていて、ハッとする美味しさがある。
最近の前衛フレンチとは違って、素材の良さを最大限引き出すシンプルな調理法に徹しているのも素晴らしい。
サービスも丁寧かつ人間味に溢れていて、とても温かい雰囲気だった。
ランチは1,600円からあるそうなので、次回はランチに行ってみよう。
ここは確実にリピート決定。
素晴らしいお店でした。
オススメです!!
お店情報
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。