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全部実践したくなる! 書評「クラウド「超」活用術」by 北真也 - No Second Life
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全部実践したくなる! 書評「クラウド「超」活用術」by 北真也

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クラウドのある生活が当たり前になって大分時間がたった。

さまざまなサービスが出てきて僕らの生活に定着し、10年前には想像すらできなかったような便利な世の中になった。

でも、クラウドサービス一つ一つのトリセツ本や解説本はたくさんあるが、さまざまなクラウドを使いこなして、どんな風に活用するか、という「人」を中心に据えた本はほとんど見当たらない。

 

そんななか、この「クラウド「超」活用術」は、サブタイトルのとおり「新時代のワークスタイル」を著者北真也氏が提示してくれている。

著者が実践している内容なだけに、一つ一つとても具体的にかみ砕かれ分かりやすい。P336もある分厚い本だが、すいすいと読み進めることができる。

 

新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術北 真也 シーアンドアール研究所 2011-11-16
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利用シーン別クラウド徹底活用術

クラウドサービスには似た機能を持つものも多い。

たとえばオンライン・ストレージであればDropbox、SugarSync、Box.netなど。

タスク管理サービスであればRemember the Milk、Nozbe、Toodledoなど。

写真管理サービスにはFlickrやGoogle Picasaなど。

 

この本では、これら類似サービスの比較などは一切省き、著者が活用しているツールに絞って解説が加えられている。

しかも、主体はクラウドではなく、クラウドを活用する「人間」に置かれている。

日々の仕事や生活を尖ったものにして、最大の効果を発揮するにはどうしたらいいのか?

視点はそこにおかれている。

 

 

だから、この本にはあなたが利用しているクラウドサービスの紹介がなく、他のサービスが説明されている可能性も高い。

そんな時には、自分が活用しているサービスに該当部分を置き換えて読むとスムーズだろう。

 

 

もしくは、著者が紹介しているサービスの方が優れていると感じたら、乗り換えてみるのも面白いだろう。

この本はあくまでもビジネス本なのだ。トリセツではないということを認識して読みたい。

 

 

 

これぞBeck流!Hackの宝庫

この本の著者北真也氏はもともとはブロガーで、Hacks for Creative Life!というブログを主宰しており、Twitterでも @beck1240氏としておなじみだ。

彼は東京ライフハック研究会という勉強会を主宰しており、また人気ビジネスブログ「シゴタノ!」執筆陣の一人でもある。

 

 

北氏のネット上や勉強会での活動を知っている人なら、この本はまさに「Beck流Hackのカタマリ」的な仕事術の本と言えるだろう。

さまざまな媒体で彼が書き記してきた個別の記事を集大成として体系立て、一冊の本にまとめた風情である。

 

 

大手企業に勤めつつさまざまな活動を続ける著者ならではの使いこなし術が満載で参考になる。

そもそも、SEとして本職も多忙な彼が、こうして本を書いたり、東京ライフハック研究会を開催したり、フルマラソンを完走したり、ブログを書いたり、シゴタノ!に執筆したり、徹夜で飲んだり(笑)、奥さん孝行をしたりする時間をどうやって捻出しているのか?

その秘密がこの本には満載だ。

サラリーマンであるが故のハックも実に多く、読者にもリアルに届くのではないだろうか。

 

 

たとえば通勤電車内で片手でしかiPhoneを操作できないシーンの説明などは、ぎゅうぎゅうの満員電車に乗って通勤している著者ならではの視点だ。

さらにオフィスでは、ほとんどのクラウドへのアクセスが禁止されていて、紙のノートを使わざるを得ないという点も、サラリーマンの多くの人と同じ環境だ。

そのような制約を逆手に取ってしまう点もまさにBeck流で、アナログ手帳の良さとデジタルツールの便利さ、さらにはiPhoneの機動性を駆使して理想のクラウド環境を構築している。

 

 

なかには非常にマニアックで普通の人にはとっつきにくい点もある。

たとえばToodledoとTask Portfolioでの時間管理などは、情報入力が二重になりそれなりに根気がいる作業だろう。

だが、そのメリットと手順についてとても分かりやすくかみ砕いてあるので、やるかどうかは別として(笑)、その利点については簡単に理解できるし、腑にも落ちる。

 

 

 

情報に振り回されるな!使いこなせ

「クラウド「超」活用術」というタイトルからも判るとおり、この本では「情報収集」、「セルフマネジメント」、「アウトプット」、「ライフログ取得と活用」とシーン別に分けて、かなり突っ込んだ活用法が提示されている。

紹介されているアプリやツールの数も多いため、この手のツールをあまり使ったことがない人が、いきなり全部のツールやアプリを使い始めることは難しいだろう。

 

 

この手の本に不慣れな方は、読んで一番「これだ!」と感じた一つのHackをまずは実践してみて、自分なりに使いこなせるようになるまで続けてみよう。

そして一つのツールを使えるようになったら、次のツールを試してモノにし、それもできたらまた一つ、という形で、徐々に広げていくことをオススメする。

 

 

たとえば名刺のアドレス帳登録ならこれをマスターするまで続けてみる。

するとカメラアプリOneCamにも詳しくなるし、iPhoneのアドレス帳の機能や3rdパーティー製のアドレス帳アプリにも強くなる。

これをマスターしたら、次は目標管理、というように、一つ一つやっていこう。

 

 

本を読むとモチベーションが上がり「よっしゃ全部使いこなすぞ!」という気持ちになるものだが、いきなり全部へのチャレンジはやめた方が安全だ。

文章と図解が丁寧で分かりやすく簡単に見えてしまうので要注意だ。

 

 

まとめ

分厚い本にたくさんの情報がつまっているだけに、読んで「あー勉強になった」で終わらせるのはとても惜しい本だ。

文章が平易でイラストも判りやすいため、なおさらだ。

 

 

一つ一つのセクションに書かれていることを実践していけば、まさにクラウド王になれるだろう。

単なる「クラウド仕事術のカタログ」として眺めて終わりにせず、全部を身につけたい本だ。

 

 

著者はSEとしてフルタイムでサラリーマンをしながら9ヶ月もかけてこの本を書いたと「あとがき」にある。

著者はそこまでしてこれら仕事術を「伝えたい」と思ったということなのだと理解した。

 

 

だから、僕らはそれに応えて目一杯活用しようではないか。

充実の内容。良い本だった。

 

 

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