僕は「習慣」のチカラを強く信じている。
「人間は習慣の塊である」というのが僕のモットーだ。
僕たち人間は、意識しているか無意識かに関わらず、日々の多くを「繰り返し行われること」で過ごしている。
だからこそ、その一つ一つの「繰り返される行為」を一つ一つ変えていくことで、人生が大きく変わることになるのだ。
しかし、ご想像のとおり、身についてしまった習慣は、なかなか簡単には変えることができない。
習慣を変えるためのとても大切な最初のステップは、「習慣を変えるんだ!」と自分で決めることである。
そして二つ目のステップとして、「良い習慣を入れる場所を作るために、悪い習慣を捨てる」ことが大切だ。
どんなに良い習慣を身につけようと思っても、24時間がすでに悪い習慣で満タンになっていては、良い習慣が入り込むことができないからだ。
そんな僕たちに良書が届いた。
午堂登紀雄さんの「捨てるべき40の「悪い」習慣」だ。
1つずつ自分を変えていく 捨てるべき40の「悪い」習慣
午堂 登紀雄 日本実業出版社 2014-10-17
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自分はある日突然は変わらない。
表紙に書かれているとおり、「1つずつ自分を変えていく」ことしかできないのだ。
さっそく紹介しよう。
捨てるべき40の「悪い」習慣 by 午堂登紀雄 — 1つずつしか自分は変えられないから [書評]
否定語を捨てる
いつも言葉に「〜できない」「〜がうまくいかない」など、否定語を使っている人がいる。
「自分には無理」「お金がないからできない」「リスクが高すぎる」なども同様だ。
こういう言葉を日常的に使っている人には、僕は近寄らないようにしている。
また、僕のワークショップ修了生など、近しい人が否定語を使っていたら、極力その場で注意するようにしている。
なぜ否定語を使ってはいけないか、なぜ否定語を使う人と付き合ってはいけないか。
理由を著者の午堂さんは以下のように説明している。
「なぜなら、否定語には、あなたを引き上げてくれる人や、あなたを助けてくれる人を遠ざけるパワーがあるからです」
「できない」「無理」と言っている人を応援したいと思っている人はなかなかいない。
そして、会話の中にネガティブな言葉が多い人と一緒にいると、周囲の人間まで停滞して暗い気分になってしまうのだ。
成功している人や大きなビジネスを回している人は、そういう「ネガティブなオーラ」を一番嫌うのだ。
せっかくの自分の時間やパワーを、ネガティブなものに吸い取られるのは嫌なので、上手くいっている人、成功している人はあなたからどんどん離れてしまう。
そして残るのは、同じようにネガティブな言葉を発している人ばかり。
あなたが発したネガティブな言葉を相手が聞き、その相手はあなたの言葉に影響を受けネガティブな気持ちが強まる。
そしてその相手が発してネガティブな言葉があなたをもっとネガティブな気持ちに引きずり込んでいく。
書いているだけで憂鬱な気持ちになってしまう。
言葉使いを変えるだけで自分の気持ちも変わってくる。
「できない」ではなく、「どうしたらできるだろうか?」
「無理」ではなく、「チャレンジしがいがあるな」
言葉を変えていくことで、自分の気持ちかが変わり、自分の気持ちが変わることで、周囲に集う人を変えることができる。
「たかが言葉」とバカにせず、ぜひ実践してほしい。
情報を捨てる
21世紀になって、情報の価値が暴落している。
情報は津波のように勝手に押し寄せてきて、僕たちの思考能力を奪っていく。
自分の意志で「情報を遮断する」ことをしていかないと、情報の洪水の中で「情報に躍らされる」ことになる。
本来の情報の価値を、午堂さんは以下のように書いている。
「情報とは本来、考えるための材料です。集めた情報から何を見出すか、何を発信するか、そしてどう行動すべきか。その指針を導き出すために情報があります」
大切なのは「考え」「行動」することであって、やみくもに情報を集めることではない。
SNSを一日中見てばかりいたら、情報を浴びるように受けることにはなるが、考える時間が持てなくなり、思考停止状態になってしまう。
そして思考停止した脳に、一部の偏った情報などが入り込むと、人は簡単に情報に躍らされることになってしまう。
21世紀の日本に生きる我々は、情報を捨てることを意識して、やっと考えることができるようになるのだ。
成功体験を捨てる
人間誰でも成功することは心地良いことだ。
誰しも成功するために頑張っている、と言っても過言ではないだろう。
しかし、成功というのは、味わい噛みしめたなら、さっさと捨てることが大切だ。
なぜなら、人は成功体験の甘美な思い出に浸ることで、進化を止め、老化が始まってしまうからだ。
今日成功したことが明日も通用するかどうかは分からない。
明日は明日で新しいチャレンジをしていかなければならない。
人生は果てしないチャレンジの連続なのだ。
1回や2回の成功体験に固執して、その武勇伝を語っていても、誰も聞いてくれなくなる。
成功することは大切だし、自信を持つことも必要だ。
しかし、体験をそのまま引きずるのではなく、「応用できる部分」だけを抜き出し、汎用的に活用して、「体験」を「知恵」や「経験」に昇華させる必要があるのだ。
「昔話ばかりのウザいオヤジ」にならないために、成功体験はさっさと捨ててしまおう。
心配事を捨てる
生きていると、いろいろと心配なことが起こる。
「会社が倒産したらどうしよう」「病気になったらどうしよう」など、心配なことはいつもあるものだ。
お金のこと、仕事のこと、家族のこと、結婚、出産、生活設計など、あげていけばキリがない。
しかし、不安で、心配だ、とくよくよ考えていても、その不安は解消されることはない。
午堂さんは書いている。
「不安を払拭できるのは、解決のための具体的な行動だけです」
お金に対する不安があるなら、自分のいまの財政状態を「見える化」し、預貯金がいくらあるのか、クレジットカードの利用残高はいくらかなどを把握するという「行動」。倹約して貯金をするという「行動」。
健康に対して不安があるなら、生活スタイル、睡眠時間、食生活などを改善するという「行動」や、まずは健康診断を受けるという「行動」。
これら具体的な行動だけが、あなたの心の中にある漠然とした「不安」を解消してくれる。
不安は「見える化」することで、「課題」に変わります。実行可能な「タスク」になるのだ。
僕自身もたまに強い不安に襲われることがある。
そんなときは、不安に感じてることをノートに書き出し、その不安を解消するために「できること」をリストにするようにしている。
すると、「できること」を一つずつ実行していくことで、不安は確実に軽くなり、やがて解消されていくのだ。
まとめ
悪い習慣を捨てる。そして良い習慣を増やす。
そのことで、僕たちの人生はちょっとずつ変わり始める。
気づけば僕もずいぶんたくさんの「悪い」習慣を捨ててきた。
「喫煙」「夜更かし」「愚痴」「無駄な飲み会」「テレビ」などなど。
その代わりに、新しく得た習慣「ランニング」「5時起き」「夢を語る」「有意義な会食」「読書と執筆」に置き換わったわけだ。
ある日突然別人に生まれ変わることはできない。
でも、僕たちは一つ一つ自分を変えていくことができる。
悪い習慣を捨て、「大切なものだけを残す生き方」を実践しよう。
オススメの1冊。
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1つずつ自分を変えていく 捨てるべき40の「悪い」習慣
午堂 登紀雄 日本実業出版社 2014-10-17
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。