4. 「リスクを取る」と自分に宣言する
サラリーマンは、とにかく安定を好む。
僕自身がそうだったので良く分かる。毎月同じ給与、そしてボーナス。
決まった額をもらえるから、その額の中で生活をする。
その生活パターンに慣れ切っていたのだ。
しかし、フリーになるということは、「安定」と決別することを意味する。
そして会社を辞めて独立するということは、まずは会社に「辞めます!」と宣言しなければならない。
「給与も賞与もいりません!」と叫ぶこと。
このリスクを取ることが、最初は猛烈に怖かった。
独立を決めたとき、僕は当時もう40歳だった。決して若くはない。
独立してダメだったからといって、元の会社が40歳の僕を以前と同じ立場で雇ってはくれない。
元の場所にはもう戻れない。
そう思うと怖くて怖くて脚がすくんだ。
しかし、リスクを取らないと自由は得られないのだ。
「自由になりたい」と願っている人が、「会社に戻れないのが怖い」と怖れるのは、そもそもおかしいことに気づいた。
「え?立花岳志、お前は『会社に戻れないかも』って脅えてるけど、そもそもお前は会社に戻りたいの?」
この問いかけが自分の心に湧き上がったとき、僕は思わず笑ってしまった。
会社を出ていこうとしている人間が、戻る心配をしてどうする!
僕は堂々とリスクを取り、そしてその見返りとして、誰からも束縛されない、正真正銘の自由を得る。
そのことを決めたときほど清々しかった瞬間はなかった。
そして、この「リスクを取る」と決めることが、僕が独立をする過程で、一番難しく大変なことでもあった。
しかし、このリスクを取ると決意したことが、すべての始まりだったと僕は思っている。
自由と安定はトレードオフの関係にあるのだ。
両方同時には手に入らない。
だからこそ、とても貴重であり、でも決意するのが一番難しいことなのだ。
5. 「才能」を「強み」に変える努力を猛烈にする
独立をして「好きなことだけをして食っていく」ために必要な現実的なこと。
それは、「好きなこと」が何かを知ることと、好きなことで「食っていける」ようになることだ。
僕を含めて多くのサラリーマンは、食っていく方法が見つからないから独立できないのだ。
でも、今の時代には不可能なことはほとんどなくなっている。
工夫次第で20年前には誰も想像すらできなかったような生き方ができるようになっているのだ。
そして、どんな人にも「眠っている才能」がある。
この「眠っている才能」が「好きなこと」だった場合、自由への扉はもう半分開いているも同然だ。
眠っている才能を、独立したときに食っていける「強み」になるまで、徹底的に磨くのだ。サラリーマンをやりながら。
僕の場合、この眠っている才能は、「文章を書くこと」「人と人を繋ぐこと(コミュニケーション)」だった。
小学生のころから作文の授業が大好きで、大学は英文科に進んだ。
20代のときには小説を書いて新人賞に何度か応募したが、受賞には至らなかった。
サラリーマンとしては、メールを書くくらいしか文章を書く仕事はなかった。
僕の才能は完全に眠っていたのだ。
でも、2008年12月8日にこのブログを始めたことで、僕の人生は大きく変わりはじめた。
ブログを書くのは本当に楽しかった。
楽しくて楽しくて、寝ないででも書けた。楽しいから続けていて辛くない。
楽しいからどんどん上達する。
上達するのが嬉しいからもっと書く。
このサイクルに入っていった。
そして広告を貼ってみたら、1,000円くらいの収入になった!!
趣味がお金を生んだ瞬間だ。ここが非常に重要なポイントだった。
0を1にすることはとても難しい。でも1を10にしたり、100にすることは比較的簡単だ。
1,000円の広告料を10万円にすることならきっとできる!
僕はそう確信した。
眠っていた才能が開花し、そしてお金を稼ぐための「強み」へと変化したのだ。
そしてもう一つの眠っていた僕の才能は「人と人を繋ぐこと」だった。
ブログを通じて、TwitterやFacebookを通じて、そしてDpubやセミナーを通じて人と人を繋ぐ。
これがとても好きだったのだ。
そして思い付いたのが、「ネットとリアルを混ぜる」ことだ。
最初はただのオフ会幹事だった。20人くらいの人が集まって楽しく飲んだだけのこと。
でも、そのうちそれがお花見オフになり、そしてDpubになった。
たくさんの人がどんどん集まってきて、そこで心地良い時間を過ごし、繋がっていく。
その舞台を自分が作れることに、僕は感動した。
飲み会の幹事がお金を生むなんて、当初は夢にも思わなかった。
これも眠っていた才能が強みに変化したために起こったことだ。
お金がないと人間は生きていけない。
お金がないと自由にはなれない。
強みを作るステップを抜かして独立してしまうと、非常に苦労することになる。
会社に縛られなくなっても、お金に縛られて、お金に不自由する生活になってしまうのだ。
このステップは非常に重要だ。
会社に在籍している間に、いかに強みを作れるか。
とにかくそのことを考え、行動を起こして欲しい。
そして、21世紀のいま、出来ることの数は天文学的に増えていることに気づいて欲しい。
僕の「ブログで稼ぐ」 も「SNSで告知してイベントを満員にする」も、20年前には想像すらできなかった働き方だ。
自分の強みがお金を生む方法を見つけるのだ。
それさえ見つかれば、あとは突き進むのみなのだから。
6. 会社外の人脈構築を本気でやる
前段に書いた通り、僕は自分を変えよう!と思い始めた当初は、会社以外にまったく友達がいなかった。
そこで、とにかく同じ目標や夢、ライフスタイルを目指している人たちとたくさん知り合いになろうと決めた。
幸いブログを始めたことで、iPhoneやMacに興味がある人たちとどんどん繋がることができた。
Twitter、Facebookも使うようになり、その勢いは加速した。
そして、書評も書くようになり、今度はライフハック系の友達もできるようになった。
若い友達が多く、最初はちょっと照れ臭かったが、みんなも「タチさん」「タチさん」と受け入れてくれたので、すぐに慣れてしまった。
利害関係がなく、そして自分たちの夢に向かってガンガン進む好奇心の塊のような若者たちと一緒にすごす時間と夢のように楽しかった。
そして20代ですでに書籍を出版していたり、iPhoneアプリをリリースしている友達に、純粋に刺激を受け、そして対抗心を燃やした。
大学院を出たばかりの20代半ばの友達が颯爽と出版を決めたときには、こっそり地団駄を踏んで悔しがった(笑)。
でも、あの時期に知り合った多くの仲間たちがいなかったら、今の僕は存在しなかっただろう。
社外の人脈ゼロからスタートした僕が、今ではFacebookのお友達は2,400人にもなっている。
人と人のご縁は本当に大切だ。
これからスタートするあなたも、是非社外の友達作りをスタートさせて欲しい。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。