あなたの温もり 思うこと  不明編



1998年2月5日(木)


Waiting for the Man / The Velvet Underground


君だけに教えてあげる。


僕の弱いところを。


動物の腹のように、無防備で弱々しいところを。


そう、僕はもうクタクタに疲れている。


君を抱き締めたまま眠りに落ちてしまいたい。


ふと僕は絶望的な気分になったりする。


僕が今こうして抱いてる女の子ってもうすぐ僕の前からいなくなっちゃうんじゃないかってね。


僕の前で微笑む君は幻想で、僕の前からふっと姿を消しちゃうんじゃないかってね。


誰もいなくなったがらんとした部屋で僕は独り取り残されて、


放心して暮らすんじゃないかってね。


そう、僕はふと絶望的な気分になったりする。


君がいなくなったら一体僕の人生どうなっちゃうんだろう。


君がいないがらんとした部屋で、僕は部屋に黒い画用紙貼って、朝から晩までジンをラッパ飲みして暮らそう。


大脳皮質も肝臓も胃もペニスもどろどろに溶けてなくなっちゃうまで、


ジンを飲み続けよう。


遠山の金さんの再放送見たりしないで、ずっと部屋の中でじっとして暮らそう。


暗い部屋で毎日オナニーしながらペニスを腐らせよう。


想い出をジンと一緒に便器にぶちまけて、朽ち果てよう。


ああ、そうだよ、僕は強くなんかない。


生まれたばかりのキリンの脚のようにか細くて頼りない。


ああ、そうなんだ、僕はこんなに弱い。


そうだ、僕は疲れていて、そしてこんなに弱々しい。





明日になって目覚めれば、


僕はまた活力を取り戻しているだろう。


吸い付くように寄り添ったまま眠る君の寝顔にキスして、


僕はまたスーツを着込み、戦士になるだろう。


僕は風を切り、大股で大都会のアスファルトの上を歩き、


太陽の眩しさに思わず目を細めることだろう。


WHO ON THE EARTH CARES?


明日のことなんて分からないよ。


今僕はこんなに疲れていて、そして僕はとても弱い。


君の乳房に顔を埋めたまま眠りたい。


柔らかい音楽と温もりに包まれたまま、


産道を逆戻りして子宮に向い、


そしてそのまま眠っていたい、いつまでも。


ああ、だからさ、今はとにかく最高の笑顔を見せて欲しいんだ。


もしかしたら明日には失われてしまうかも知れないような、


儚い有機生命体。


あたりまえのように今日も生きていて、


あたりまえのように明日も生きていることが、


魔法のように思えるなんて、


やっぱり僕は、


すごく疲れていて、そう、弱まっている。



だから今は、


何も言わずに、


僕の心を、


抱いてくれ。






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