朝、三鷹から快速に乗り、30秒も走らないうちに電車が止まる。各駅停車が市ケ谷で人身事故とのこと。市ケ谷、僕が降りる駅だ。
やがて走り出すものの、次の吉祥寺で再び停車。そのまま延々と動かない。車内アナウンスでは、電車は当分動かないから、井の頭線に乗り換えろとのこと。
井の頭線、京王線、都営新宿線と乗り継いで会社に着くまでに、家を出てから2時間以上かかったぞ。
今年はとにかく中央線、止まりすぎ、遅れ過ぎ。年明けに降った雪がケチのつきはじめだったような気がするな〜。本気で西武線を使って通勤しようかと考えてしまう。
ぶつぶつ。
Orinoco Flow / Enya
本当に小さな駄菓子屋で、皺々のちいさなおばあちゃんが一人でいつも店番をしていた。
所狭しと並べられた駄菓子とオモチャ。あの頃はまだ西麻布なんて、そんなに高級な場所じゃなかったような気がするのは、単に僕が幼かったからなのかな。
チビッココーラ、チェリオ、ラムネ。梅ジャム、酢イカ、ベビースターラーメン。
僕のお気に入りはメンコとジャイアンツシール。メンコは言わずと知れたメンコ。リポビタンDが12本入っていた空き箱を駄菓子屋のおばあちゃんから幾つも貰って、その中にぎっしりとメンコを積めて持って歩いた。勝つためのメンコは、グニグニと柔らかくして、裏面にロウを塗っておいて。でも、箱の中にはたっぷりと見せびらかす為のメンコが眠っている。仮面ライダーやウルトラセブンやザンボットスリーやガイキング。
ジャイアンツシールは、読売ジャイアンツの選手が一人一枚ずつシールになっていて、紙袋をかぶせられて売っているから、どの選手のシールが中に入っているのかが分からないようになっている。毎日1枚ずつ買う。どんどんだぶりができるので、友達と交換する。アタリがでるとシールを貼って「ジャイアンツ選手年鑑」にできる大きな帳面をくれる。今考えると多分B4ぐらいの大きさで、20〜30ページぐらいはあったように思う。表紙はコート紙のフルカラーだったから、実は結構お金が掛かっていたのかも知れない。
背番号順に台紙に貼っていく。ちゃんとシールを貼るところには枠どりがしてあって、その選手のデータが細かく書いてある。
1番:王、2番:上田、3番:永久欠番(長嶋)、4番:永久欠番(黒沢)、5番:リンド、6番:土井、7番:柴田、8番:高田、9番:吉田、10番:張本、、
シールを集めていていつも気になったのが、背番号90番台のバッティング投手と、ブルペンキャッチャー。シールにはちゃんと彼らの姿も写っていて、僕はいつも彼らが投げたり打ったりするところを思い浮かべていた。
背番号98:山口(バッティングピッチャー)、背番号99:柚木(バッティングピッチャー)。一度も日の目を見なかった彼らのユニフォーム姿が、今でも妙に焼き付いている。
僕が中学生になった頃、おばあちゃんが死んで、駄菓子屋はそのままなくなってしまった。今でも店のたたずまいは昔のままだ。ただ、ガラスの引戸にはカーテンが引かれ、扉はもう二度と開かない。
火薬鉄砲の赤い火薬の匂い、ちょっと懐かしい。
Kanon / George Winston
中央線、またしても乱れに乱れる。
僕の家のすぐ近くに駄菓子屋があった。
小さなおばあちゃんは、万引を見逃さなかった。体の大きな中学生相手でも平気でタンカを切って、万引された駄菓子やオモチャを返させて、そして謝らせていた。でも警察や親や先生には絶対に言わなかった。だからみんな叱られても次の日にはまたおばあちゃんの駄菓子屋に通った。
かやすが/
えば/
IDIOT/
玉川/
成松/
小山/
はしもと/
みやもと/
川上/
みや/
もも
colon/
kazuaki/
江口/
木曽/
ゆず/
知恵子/
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Minobe/
ゆら/
玉井/
えん/
貞奴/
levi
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