黒い背景を前にしばらく放心する朝。
断片化の終焉。
Walter T. / Ambersunshower
ばしゃばしゃと雨が降る中蒲田へと向かう。
ちょっと時間が余っていたので駅前のドトールでコーヒーを一杯飲んだ。タバコを一本吸って表に出ると、街宣カーに導かれた霊柩車が通り過ぎる。街宣カーにはバカデカイ新井将敬氏の顔写真。黒いリボンがかかっている。
後援会のメンバーと思われる男性が大音量のマイクで「ありがとうございました」を繰り返している。街宣カー、霊柩車、そしてその後ろには10台弱の黒塗りの車の列。それを呆然と眺める蒲田駅前の人々。
冷たい雨はばしゃばしゃと降り続き、朝からの陰鬱な気分に拍車がかかる。
Norwegian Wood / The Beatles
飛び込み営業は、やったことのある人にしか分からないと思うけど、すごく辛い仕事だ。だって、何の利害関係もない、見ず知らずの会社に突然飛び込んで行って、売り込みなんかしたって、そう簡単には信用してもらえないし、その以前に仕事の邪魔だと言って嫌がられることが多い。セールスマンを追い返した経験のある人は多いと思うけど、あれって、やってる方も結構辛いんだぜ。
でも、今日は自分の体を包んでいるバイオリズムを断ち切りたくて、わざわざ辛いことにぶつかりたくなった。
雨の中、麹町をうろうろ歩き回る。「紀尾井町ビル」じゃなくて「紀尾井町ヒルズ」だったのね、勘違いしたまま30分も雨の中をうろうろ、うろうろ。
ようやく見つけた「紀尾井町ヒルズ」には、目当ての会社はなかった。メモを手に携帯から電話してみると、ああ、やっぱり移転していたのね。がーん。
でもおかげで肩から力がふっと抜けて、顔には苦笑が浮かんだ。ちょっとバイオリズムが変わったみたい。妙に元気になって次の会社に飛び込む。
開き直りの成果か、いきなり飛び込んだにもかかわらず、結構和気あいあいと話は進み、見積依頼までこぎつける。きゃー、勢いとは恐ろしいものだ。
ひらひらと舞いながら会社に戻る(オーバープロデュース)。
Norwegian Wood / The Beatles
僕の場合、それは割とハッキリしている。自分のことを知って欲しいからだ。別に僕のことを好きになって欲しくて書いている訳ではない(とは言いきれないかも知れないけど)。でも、媚びを売る文章を書いているつもりはまったくないし、これからも書くつもりはない。立花という人間が今何を思い東京を動き回って生息しているのかということを、読んでくれる人達に知ってもらいたいから僕は自分の生活を垂れ流しにする。
それはつまり、僕が寂しい人間だからなのかも知れない。それは、結婚してるとかしてないとか、恋人がいるとかいないとか、金持ちか貧乏かとか、そういうレベルではない圧倒的な、そして欽定的な孤独感。僕は生まれてから死ぬまでずっと寂しい人間なのかも知れない。孤独であることを愛し、寂しさに包まれることによってのみ自分の存在を確認できるような、そんな人生。
たくさんの人が読んでくれればそれは凄く嬉しいことだけど、だからと言ってたくさんの人に読まれるように自分の文章や生活を歪めて行こうとは全く思わない。
何も足さない、何も引かない、これが一番だと思う。ありのままの自分を晒すことに、僕は自分の存在意義を見出そうとしているのかも知れない。
Walter T. / Ambersunshower
目覚めてネットに繋ぐ。
昼。
昨日から続く陰惨とした気持ちを振り払いたくなって、何年か振りで飛び込み営業なんかやってみる。
何故公開日記を書くのか。
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