書評

狙え!ソーシャル時代のアメリカンドリーム! 書評「ゲイリーの稼ぎ方」 by ゲイリー・ヴェイナチャック

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ゲイリー・ヴェイナチャックという人物のことを知っているだろうか。

本書「ゲイリーの稼ぎ方」の著者なわけだが、この人物が「何」で稼いだか、ご存知だろうか?

 

 

このゲイリー氏は、ワインを売ったのだ。ネットで、YouTubeやUstreamを駆使して、自らを徹底的にブランディングした人物だ。

そんなゲイリー氏が著した自らの成功哲学がこの「ゲイリーの稼ぎ方」だ。僕らが知らないブルーオーシャンが目の前に広がっているぞ!

 

 

 

ゲイリーの稼ぎ方  (ソーシャルメディア時代の生き方・考え方) 

ゲイリー・ヴェイナチャック フォレスト出版 2010-07-06
売り上げランキング : 3555

by ヨメレバ

 

 

 

 

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極貧ベラルーシ移民の現代アメリカンドリーム

 

 

 

ゲイリーは幼少の頃にベラルーシからアメリカに家族と共にやってきた。1978年のことだ。

当時のベラルーシは旧ソ連の一部で、まだ冷戦が続いていた頃だ。

 

 

ほとんど体一つで渡米したゲイリーの一家は、先に移住していた親戚の手を借りて、アメリカでの生活をスタートさせる。

ゲイリーの父は、酒屋の商品補充係としての職を得て、家族を養うようになった。

 

 

商才に優れたゲイリーの父は、すぐに頭角を現し、酒屋の店長になり、そして共同経営者になり、ついには独立して自らの店を開いた。

まだ子供だったゲイリー少年は、自分が飲むことができないワインがビジネスとして大きな可能性を持つことを見抜き、父とともにビジネス規模をどんどん拡大していく。

 

 

ゲイリーはワインに何を見たのか。

酒屋に買い物に来る客のうち、ビールやウィスキーを買いに来る客は、自分の目当ての商品があらかじめあって、その商品目がけてまっすぐに歩き、レジへと向かう。

 

 

一方ワインを購入する客は、どの商品にするか迷い、比較し、ラベルを読み、店員に相談し、そして複数から選んだ一本を購入していく。

ワインには産地や年、ブドウの種類などで、味や合う料理の選択肢が広いことに気付いたのだ。

 

 

人々は情報を求めている。

これがゲイリーの直観だった。そしてその直観が正しかったことは、歴史が証明している。

 

 

 

ソーシャル時代の新ブルーオーシャン

 

 

ゲイリーは2006年にWinelibrary TVという動画コンテンツをスタートさせた。

このコンテンツは2011年3月まで続き、この動画コンテンツでゲイリーは一気にネット界のスーパースターへとのし上がる。

 

 

ゲイリーはこのWinelibrary TVでワインを売りまくったのではない。

彼は動画コンテンツを利用して、「すごく面白くて変わってて、猛烈にワインに詳しい男」というパーソナル・ブランディングに成功したのだ。

 

 

もちろんワインの販売を商売としているのだから、ワインを販売はしている。

だが、動画コンテンツはワインを販売することを目的とした通販コンテンツではない。

 

 

とにかくひたすら喋りまくり、ワインについて滔々と語る。

そして自分が大好きなもの、大好きなことを語りまくるのだ。

 

 

10分程度の程よい長さの動画コンテンツ。

そして、アメリカという、決死ワインに詳しい人々ばかりではない土地柄。

そして、おかしなベラルーシ訛りで畳みかけるように喋りまくる、パッション溢れるワインのプロ。

 

 

ゲイリーが売ったのは、「ゲイリー」というブランドだ。

彼はこのブランドを作り、結果として、アメリカの多くの人々に、「ゲイリーが選んだワインなら間違いない」という価値観を植え付けた。

 

 

そして、彼はアメリカンドリームを実現させたのだ。

 

 

 

楽ができるなんて言っていない!

 

 

本書は圧倒的人気を誇る動画コンテンツを作り上げた無名の男が書いた成功体験記である。

パーソナルブランディング本としてももちろん有効だが、彼が書いていることをそのまま鵜呑みにすることはできない。

 

 

アメリカと日本という環境の違いもある。彼がたまたまラッキーだったという要素もある(本書内で本人も認めている)。

彼と同じことをすれば成功できるというタイプの本ではない。

 

 

だが、本書では、何ヶ所も、「その通り!」と膝を打ちたくなる名セリフがちりばめられている。

それらは、むしろパーソナル・ブランディングやソーシャルメディアの有効活用という側面から見れば、古くさい価値観のような部分に多かった印象だ。

 

 

たとえば「家族を大事にしろ」という言葉。

貧しい移民として祖国を離れ苦しい時期を乗り切った彼だからこそ言える重い言葉で、成功しても、常に家族を大事にしていくという姿勢は明確で、真摯に感じる。

 

 

そして、もう一つ重要なことが書かれている。

それは、ソーシャルメディアを活用すれば、無名の人間がネットを駆使して有名になり、経済的に成功することができるということだ。

 

 

だが、そのためには、「寝ないで働く」必要がある。そして成果が出るまでは時間がかかる。この点を彼は強く主張している。

 

 

彼らの回答はたいてい「6週間」とか、それくらいのものだ。6週間?ビジネスをたった6週間程度で作れるわけない!2ヶ月だって、半年だって無理だ。

スタートしてから1年も経たないうちから、僕に連絡してきて、「期待していた金額をまだ手に入れていない」と不平を言うようだと、僕の話を何も聞いていないということだ。

僕はあなたがたくさん稼いで幸せになると言った。でも、それを一晩でできるとは言っていない。

 

 

以前は一部の有名人にしか開かれていなかったセレブへの道が、現代では貧しい移民にも開かれている。

しかもネットいうほとんど費用がかからない媒体を使って。

だが、そこには必死の思いと日々の努力が必要だ。ゲイリーは強く主張している。

 

 

 

まとめ

 

 

 

ネット動画発のスター。

ゲイリーはアメリカでその地位を獲得した。

 

 

それでは日本では?

日本では、まだアメリカほど、動画を活用して自らのパーソナル・ブランディングに成功している人はいないのではないかと思う。

 

 

国民性が違うので、ゲイリーの真似をしただけで人気モノになるとは思えない。

だが、まだ成功者がいない分野なら、これはブルーオーシャンなのではないか?

 

 

我こそは、という人は、是非チャレンジしてみてはどうだろうか?

情熱があれば、何でもできる時代だ!ゲイリーはそう叫んでいる。

 

 

ゲイリーの稼ぎ方  (ソーシャルメディア時代の生き方・考え方) 

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