ザ・リッツ・カールトン東京に泊まってきた。
滞在記はいま順番に書いていくところだが、それとは別に一つ書いておきたいことがある。
それは、部屋の冷蔵庫に入っていた、小瓶の瓶ビールのことだ。
さっそく紹介しよう。
ザ・リッツ・カールトン東京の冷蔵庫の瓶ビール(小瓶)はなぜ1,300円なのか [2016年7月リッツカールトン誕生日プロジェクト その3]
ザ・リッツ・カールトン東京の部屋の冷蔵庫。
瓶ビールの小瓶が入っている。
価格を見て驚いた。
一本1,300円だったからだ。
多分この1,300円にサービス料が加わって、実際には1,430円になるのではないか。
僕はビールは飲まなかったが、夜に上の写真のジャックダニエルのミニボトルを、ペリエで割って飲んだ。
ジャックダニエルは50mlのミニボトルだが、翌日お会計の明細を見たら、ジャックダニエルが1,657円、そしてペリエが1,147円だった。
ちなみに酒屋のカクヤスのサイトで調べたら、キリンラガーの小瓶は、カクヤスで買うと180円である。
1,300円の小瓶のビール、そして1,147円のペリエについて、リッツの部屋から窓の外を見つつ、考えてみた。
49階の窓から眺めると、東京は本当にビルに埋め尽くされている。
この写真では豆粒くらいの、小さなペンシルビルでも、建てるのには何億円ものお金がかかるだろう。
すべてのビルにはオーナーがいて、店子もいて、オーナーのもとにお金が流れ、店子のもとからお金が消えていっているのだろう。
世の中には何億、何十億、何百億円というお金を動かしている人が、それこそごろごろいて、そういう人たちにとっては、ビールが194円なのか1,430円なのかは、もはやどうでもいいことだろう。
リッツのプールには、「Member Only」のレーンと、そしてデッキチェアがある。
そして最上階の53階は、クラブラウンジとなっていて、ホテルのメンバーやスイートルーム利用者だけが利用できるスペースとなっている。
「メンバー」というのは、当然のことながら、繰り返し何度もリッツを利用する人しか価値がない仕組みである。
一泊5万円以上するリッツに、定期的に泊まる人が、世の中にはたくさんいるのだ。
実際プールのメンバー限定レーンでは、白人の女性が黙々と一人で泳ぎ続けていた。
リッツカールトンのビールはなぜ1,300円なのか
リッツ・カールトンはミネラルウォーターは無料である。
でも瓶ビールは1,300円である。
コンビニに行けば、ミネラルウォーターは100円くらいで、ビールは200円くらいだろう。
それが、リッツだと、無料と1,300円になる。
これはつまり、リッツは、飲み物の値段なんてどうでもいい、と思っているのだと僕は思った。
コンビニは絶対にミネラルウォーターを無料になんかしないし、ビールを1,300円で売ったりもしない。
恐らくリッツにとって、冷蔵庫のビールは、金もうけをする目的で価格設定をされているのではないのだ。
でも、なぜビールは2,000円じゃなくて1,300円なのだろうか。
つまりこういうことか
それはきっと、1,300円くらいより上の値段にしておくと、その値段を払いたくないお客が来なくなる、分水嶺の価格なのではないか。
リッツから徒歩2分のところにコンビニがある。
コンビニでビールを買ってくれば、200円のビールを49階で飲むことができる。
でも、恐らくリッツに毎月のように泊まりに来る「メンバー」の人たちは、コンビニになんか行かず、飲みたくなったら冷蔵庫を開けるか、ルームサービスを頼むかして、さっさとビールを飲んで、1,300円を払うのだ。
つまり、こういうことだ。
ザ・リッツ・カールトン東京は、そういう人にしか来て欲しくないと思って、ビールにこの値段を付けているんだろう。
ビールが200円だろうが1,300円だろうが、どっちでもいい。
そう思っている人だけが、本当の意味でリッツのターゲットのお客さんということなんだろう。
そして、ビールにそういう価格を付けておくことで、「それでもいい」というお客だけが集まってきて、結果として場の雰囲気、健全度が保てるようにする、システムとして機能しているのだと僕は思った。
まだまだ世界は広い。
僕はそう思った。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。