2014年11月30日に開催された、第3回富士山マラソン(フル)に参加し、4時間56分で無事完走することができた。
今年2月の東京マラソン以来のレースとなった富士山マラソン。
個人的にも、大会的にもいろいろあったのだけれど、結果としては楽しく走れ、収穫もとても多いレースとなった。
良かった点も悪かった点もできるだけニュートラルに書いてみたいと思う。
さっそくレポートしよう。
第3回富士山マラソン 4時間56分完走レポート ツッコミどころも斬新さも目立つレースでした!
麻布から河口湖は遠かった
富士山マラソンは、富士五湖のひとつ、河口湖をスタート/ゴールとするレースである。
レースに申し込んですぐに、周囲のホテルを予約しようとチェックしたが、まったく空きがなかった。
このレースは参加者が1万6,000人を越える大きな大会なので、あっという間に周囲のホテルは埋まってしまったようだ。
河口湖周辺だけではなく、中央線から富士急に乗り継ぐ大月駅周辺なども探したがダメ。
結局当日は4時起きで4時45分に自宅周辺からタクシーに乗り、5時18分新宿発の各駅停車で河口湖を目指した。
途中高尾と大月で乗り換えがあったのだが、大月から河口湖の間は平日のラッシュ時の中央線のような大混雑。
ぎっしり詰め込まれて立ちっぱなしで河口湖駅まで約50分。
4時45分に自宅を出て河口湖駅に着いたのが7時44分なので、3時間。
やはり日帰り強行軍はちょっと辛い時間だった。
当日は臨時特急が新宿から運転されたのだが、こちらも瞬殺で満席となっていた。
大会規模を大きくするなら、もう少し交通網の整備も併せて行って欲しいと感じた。
1時間15分前に河口湖駅に到着したものの
7時45分に河口湖駅に着いて、スタート地点を目指す。
スタート地点までは徒歩10分。
レースのスタートは9時なので、普通に考えればまったく余裕のはず。
ところがスタート地点付近に着いても、更衣室がどこなのかが分からない。
周囲を見回すと男性陣はそこら中で屋外で着替えている。
ずっと立ちっぱなしで疲れていて、さらに更衣室を探してうろうろするのは得策ではないと思い、僕も屋外で着替えることに。
さらに問題だったのが手荷物預け所の配置。
手荷物預け所がスタート地点から一番遠い、奥まった場所に作られている。
延々と歩いていかないといけないことも問題なのだが、一番の問題は「すごく狭い」場所にあることだ。
1万6,000人もの人が手荷物を預けるのだからたまったものではない。
大渋滞が発生し、僕は手荷物を預けるのに40分以上かかってしまった。
その間もずっと立ちっぱなし。
事前に大会運営に関する問題が幾つか指摘されている記事を読んでいたが、このオペレーションは改善の余地がたくさんあるなあと感じた。
トイレに行く時間もなくスタート地点へ
結局手荷物を預けられたのは、スタート10分前のことだった。
一緒に参加予定の仲間の方達と集合写真を撮ろうと言っていたのだが、全然そんな余裕はない。
急いでスタート地点に向かい、何とか整列したのがスタート5分前である。
手荷物預け所に向かったのが8時10分頃のことで、その時点では、まさか45分もかかるとは想像もしていなかった。
スタート前にトイレに行っておきたかったのだが、行く時間もなく。
さらに、持ってきていた心拍数計のバンドを装着するのを忘れるというアクシデントもあり。
そして、ポーチに入れていたiPhone 6用の小型外部バッテリーがまさかの接続不良(?)で動作しないという問題も発生し。
6時50分に大月駅で乗り換えてから2時間以上すでにずっと立ちっぱなしで疲れも出てきており。
そんなこんなで、テンションはかなり下がり気味でのスタートとなった。
前半:8km地点でトイレ離脱。膝痛も出てリタイヤを考えながらのレースに
スタートのロスタイムは約7分。
スタートして3kmほどでトイレに行きたくなった。
どこかしらのタイミングでトイレに行かざるを得ないとは思っていたが、やはりがっかりである。
しかも、前日から出ていた左膝の痛みもチラチラと出始めていて、いやな感じ。
これは途中リタイヤもあるかもしれないな〜、とチラチラ考えつつ走る。
8km地点で諦めてトイレに向かう。
僕と同じようにスタート前にトイレに行けなかった人がたくさんいるため、トイレも大行列になっている。
結局約10分のタイムロスとなり、この時点で自己ベスト更新は諦め、気持ち良く走ることに専念することにした。
中盤:膝の痛みは収まり、21km過ぎの強烈な登り坂でスイッチが入る
トイレから復帰してしばらく走っていると、身体が温まってきて膝の痛みは収まった。
それでも身体は重く、あまりパッとしない感じで走り続け、中間点を過ぎた。
中間点を過ぎてすぐコースが右折し、そこから先がビックリするような急勾配の登り坂だった。
上のスクリーンショットで、一気に高度が上がっている地点がそれだ。
初めて走ったフルマラソン、館山若潮マラソンの上りも凄かったが、河口湖から西湖へと向かう上りも強烈だった。
ほとんどの人が走るのをやめて歩いてしまうようなキツイ上りが延々1km以上続いたのだが、僕は逆にこの上りで身体にスイッチが入った感じになった。
それまで感じてた身体の重さ、怠さが消え、リズムが良くなった。
周囲のランナーたちがみな歩いている中をごぼう抜きで抜いていくのも快感になった。
後半:35kmを過ぎても脚が止まらず38kmで5分台を記録 iPhoneは37kmでバッテリー切れ
中盤から気合いが入り、後半に入っても良いリズムで走れていた。
今までのレースでは35km過ぎで必ず失速してきたが、今回のレースは35kmを過ぎても脚が止まらず、むしろペースアップができた。
今回はGarmin 620というGPSウォッチとiPhone 6でログを取りながら走っていたのだが、残念ながらiPhone 6は37kmすぎでバッテリー切れで落ちてしまった。
Garminでペースを確認しながら走っていたのだが、38kmからの1kmで5分57秒と、レースで2番目に良いラップタイムを出すことができた。
失速して歩いていたり、のろのろになっているランナーが多いなか、どんどん抜いていくことができるのは、すごく嬉しかった。
さすがに40kmを過ぎてからは若干ペースが落ちたが、それでも6分30〜40秒台と、大きく崩れることなくゴールまで辿り着くことができた。
結果:4時間56分(手もとタイム)は自己ベストより17分遅れだが内容には大満足
結局ゴールタイムは4時間56分(手もとタイム)。
このタイムは今年2月の東京マラソンで出した自己ベストより17分遅れで、フルマラソンとしてはワーストの記録である。
でも個人的には大満足の内容だった。
トイレに行けず、スタート前2時間立ちっぱなしで、しかもアップダウンが激しいという悪条件。
前半は途中棄権も考えつつ走っていたのが、後半最後まで粘れたのは非常に自信になった。
あと、今回はサプリの補給が上手くできたという感覚もある。
僕はジェル系のサプリが苦手で、あまり積極的に摂らないことが多かったのだが、今回は開き直ってジェルでの補給をしまくった。
それが、35kmを過ぎても脚が止まらないという結果に結びついたのではないかと思う。
過去3回のレースは出るたびに自己ベストは更新するものの、毎回後半失速して死にそうになりながらゴールしていた。
今回は最後まで自分なりに満足の走りでゴールできたのが、とにかく大収穫だった。
大会について:良かった点いくつか
いろいろとツッコミどころが多い大会だったが、良い点もたくさんあった。
「屋外排泄は失格!」というルールとコース周辺施設のトイレ開放
今まで出場してきた大会で、いつも嫌だなあと思っていたのが、一部ランナーの屋外での排泄行為、つまり「立ちション」である。
コース途中に仮設トイレが用意されているわけだが、数が足りないと行列になる。
タイムロスが嫌なランナーが、コースを外れて屋外で立ちションしてしまうケースが結構あるのだ。
何人もの男性が並んで竹やぶや林に向かって排泄している姿はマラソンレースの負の定例行事となってしまっている。
不潔だし、沿道にお住まいの方達には大変迷惑な行為で、見ていても嫌なものだ。
その点この富士山マラソンでは、あちこちの立て看板に「屋外排泄は失格対象」と書かれていて、とても気持ちがいい。
実際屋外で排泄行為をしているランナーを、少なくとも僕は一人も見かけなかった。
そして、コース沿道の飲食店やホテル、商店などが、ランナーにトイレを開放してくれているのだ。
しかも共通の大きな看板で「トイレ利用できます」と書かれているので、ランナーは安心してトイレを借りることができる。
これはとても良い仕組みだと感心した。
ぜひ他の大会もこのスタイルを採用して欲しい。
陸上自衛隊のエイドで気合い注入!
マラソンレースでは一定間隔ごとに給水所、エイドが設置される。
富士山マラソンでは、エイドのうちの一箇所が、陸上自衛隊の隊員の方によって運営されていた。
このエイドに来ると、隊員の方達が激しく応援してくれるのだが、これが素晴らしかった。
陸上自衛隊のエイド前は2回通過するのだが、特に2回目は終盤でかなり疲れているときに通った。
若くてとっても可愛らしい女性隊員の方に「気合い入れていこう!!」という激とともにドリンクをもらうと、思わず「ハイ!」という返事とともに背筋が伸びた。
普段から厳しい訓練をしている自衛官の方達だからこその、親身で温かく、そして激しい応援が、とても嬉しい瞬間だった。
紅葉の河口湖・西湖は美しい
当日はレース開始直後は晴れていて、そのあとは曇り空だったのだが、何回か目の前に冠雪した富士山も見え、紅葉も美しく、景色はとても良かった。
景色が良い分アップダウンも激しいのだが、殺風景なところを走るよりはずっと良かった。
この時期のレースならではだろう。
大会について:ツッコミどころいくつか
良いところもたくさんあったが、やはり問題も結構多い大会だったと思う。
いくつか書こう。
スタート前のオペレーションは問題
冒頭にも書いた通り、スタート地点とその周辺のオペレーションには大きな問題があると感じた。
まず、更衣室の場所、手荷物預け所の場所などの看板が圧倒的に少ない。
駅から歩いてきた人たちは(僕も含めて)、どこに行ったらいいのか分からず右往左往していた。
さらに更衣室、荷物預け所の配置も悪く、大渋滞が発生した。
上の写真は手荷物預け所に向かう人たちの大渋滞を撮ったものだが、奥のしましまのテントが荷物預け所だ。
右にカーブしながら奥にずっと番号ごとのテントが続いている。
ご覧いただくと分かるとおり、預け所に向かってどんどん道が狭くなり、カーブのところは数人しか並んで歩けない。
そんな狭いところに1万6,000人が一気に殺到したら、大渋滞になるのが当たり前なのだ。
そもそも、河口湖という場所に対して、参加人数1万6,000人が多すぎるのではないか、という気もした。
臨時列車などの本数も少なく、ぎゅうぎゅう詰めの列車でヘトヘトになって大会入りするのは気が進まない。
スタート地点や荷物預け所が指摘したようなレイアウトになってしまうのも、湖畔の駐車場が狭くて、ここにしか配置できないのかもしれない。
だとしたら、1万6,000人という規模に無理があるということではないだろうか?
コースも山路で狭いところが多く、ランナーの数が多すぎると感じるシーンも、特に前半には多かった。
もう少し参加人数は少なくしたほうが、適性人数なのではないだろうか。
あと、大会パンフレットには、僕が現地入りした7時44分着の電車よりも、もう一本遅い、8時20分くらい着の電車が案内されていた。
普通の大会なら、着替えて荷物を預けるだけなら、30分あれば充分だ。
僕も最初は8時20分着の電車にしようかと思っていたのだが、念のためと思い早くしたのだ。
8時20分着の電車で来た人は、恐らく荷物を預けていたらスタートに間に合わなかっただろう。
この辺りは要改善だと感じた。
エイドステーションの混乱
コース上の給水ポイントでも混乱が生じていた。
一番困ったのは、場所によって、スポーツドリンクと水のコップが混乱していることだ。
各エイドステーションでは、スポーツドリンクと水が、別々の紙コップに入れて置かれている。
正しくは、VAAMのコップに入っているのがスポーツドリンク、無地の紙コップに入っているのが水、であるべきなんだと思う。
ところが、これが混乱しているのである。
場所によっては、VAAMのコップに水が入っていたり、ごちゃまぜだったりする。
あと、普通は大会全体で手前はスポーツドリンク、奥は水、というように統一されているものなのだが、その順番もエイドごとにバラバラ。
スポーツドリンクだと思って飲んだら水で、慌ててもう一度スポーツドリンクをもらいに行く、ということを何度かすることになった。
この辺りも、現場のスタッフの方が悪いのではなく、大会運営の指示を出す側がきっちり指示を出せていないことが問題なのではないか、と感じた。
まとめ
いろいろなことがあって、大会としても印象は良い点と悪い点が交錯する感じだった第3回富士山マラソン。
初マラソンだった館山若潮マラソンと同じく、アップダウンが激しく大変なコースだが、景色はとびきり美しかった。
個人的には練習不足だったり膝に不安があったりしたなか、良く最後まで粘れた。収穫大である。
同時にいまの自分に足りない部分も良く分かった。
次の東京マラソンまでに、足りない点を修正して臨みたい。
ブツブツと文句も書いたが、大会運営のスタッフの皆さんの温かいサポートはとても有難かった。感謝しています。
収穫が多い大会でした。
応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!!
次のレースも頑張ります!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。