自分が一番美しかったのはいつか。
その答えに対する答えに「今現在だ」と自信を持って答えられる人がどれだけいるだろうか。
このブログ読者の平均年齢は不明だが、僕自身、その問いには「20歳くらいの時かなあ」と答えるだろう。
毎日走っているし食事コントロールもできているので、41歳の身体としては醜くはないだろう。
それでもやはり、20歳の頃には敵わない。そう思う。
そんな僕らの嘆きを聞きつけたかのような絶妙なタイトルの本を見つけた。「20代の自分をとり戻す」という本だ。
20代の自分をとり戻す 理想のカラダのつくり方
阿部 貴弘 中経出版 2011-01-26
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さて、本書のタイトルは「20代の自分をとり戻す」であって、「20代の自分のカラダをとり戻す」ではない。若返らせるのはカラダだけではなく心もだ、ということだ。
本書で扱うテーマは大別して以下の4つの柱
- 運動しよう
- 正しく食べよう
- しっかり眠ろう
- 心を元気にしよう
運動にしても食事にしても、本書は具体的なトレーニング内容や食事メニューを記載しているタイプの本ではない。あくまでも心の持ちよう、コンセプトを伝授してくれる本だ。
従って、運動に関しても、具体的に何をどのようにするとどうなる、ということよりも、「全身鏡を買え」「格好から入れ」など、運動を始めるに際しての心の整え方に焦点を当てている。
運動内容としては、スロージョギングとスロートレを推奨している。僕はどちらの理論も本で読んで知っていたので馴染みやすかったが、知らない人にとっては少し説明不足なのかもしれない。
水を毎日一定量以上飲む「ウォーターローディング」についても、個人的にかなり興味を持ったのだが、さらりと方法が触れられているだけだったので、もう少し突っ込んだ情報が欲しいと感じた。
しかし、これは本書が物足りないということなのではなく、アンチ・エイジングというテーマが実に壮大ということを意味しているのだろう。
スロージョギングもスロートレも、それだけで一冊の本が出版されてしまう内容なのだ。一冊の入門書で全ての内容を網羅することはできない。
そういう意味では本書は非常にバランス良く「動く」「食べる」「休む」「心をケアする」を扱っていて分かりやすい入門書に仕上がっている。
本筋とは関係ないが、本書には大橋悦夫さん、美崎栄一郎さんなど、知った名前が幾つも登場していて楽しい。
大橋さんは著者阿部さんのランニング仲間だそうで、美崎さんは本書巻末の「ボディ・リセット・プログラム」に参加して成果を挙げている。
僕自身つくづく感じるのだが、40歳を過ぎてくると、運動や食生活などの生活習慣によって、実年齢よりもずっと老けてしまう人と、ぐっと若く見える人に分かれてくるようになる。
いつまでも若く、というわけにはいかないが、実際の年齢よりも見た目も中身も大幅に若くいられるよう、心身を鍛えていきたいと思っている。
村上春樹も言っていたが、僕らはいつか必ず老いていく。だが、老いを先に延ばして行くことはできる。そのために僕らは闘うのだ。一日でも長く、カッコいい大人であり続けるために。
もしあなたも同じように思っていて、まだとっかかりがないならば、本書はとても良い入門書になってくれるだろう。
2011年41冊目の書評としてお届けしました。
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。