Under Pressure / David Bowie and Queen

暗闇の中ふと目を覚ますと、

君の透き通った瞳は碧く輝き、

震える指で頬に触れると、

さらさらと柔らかい音がして、

温もりの触れあう箇所が乳白色に輝き始めた。

瞳と瞳は静かに見つめあい、

穏やかな被膜にゆっくりと包まれていく、

滑らかに指は皮膚を滑り、

君の体に微かな痕跡を残して行く。

透明の翼を青白く輝かせたまま、

君は静かに羽ばたきはじめ、

春の夜の静寂は今孵化しつつある君の姿に見とれている。

春の雨は土を黒く染め、蕾をゆっくりと開かせていく、

僕はゆっくりと飛び立つ君を包み込み、

螺旋軌道を描き、

ゆっくりと昇り詰めていく。

固く閉ざした蕾が音もなく開くように、

君と僕の心もゆっくりと開き、

春の雨に濡れて溶けていく。

抱き合ったまま飛び立った僕達の後には、

温もりに濡れた黒い土と一年草の小さな双葉が、

暗闇の中力強く、

輝いていた。