思うこと



1998年2月28日(土)


Both YenS / Yen Chang


一昨日の日記はこちら、昨日の日記はこちら



秋田出張三日目。

7時に起床。今日は土曜日で仕事はない。ベッドの中でしばらくゴロゴロして開放感を味わい、遮光カーテンを開く。外は抜けるようないい天気。これならきっと鳥海山も良くみえるだろう。

すっかり機嫌が良くなって早速シャワー。サンドイッチとおにぎりで朝食を済ませて撤収の支度。荷物をまとめてもまだ汽車まで時間があるので、しばらくテレビのニュースを眺めたりして過ごす。

9時1分羽後本荘発大館行の普通列車に乗り込む。時間帯が中途半端なせいもあると思うけど、電車はガラガラで高校生もほとんどいない。日本海が早春の陽光を浴びてキラキラと輝いている。電車はゆっくりと走り、9時45分に秋田駅に到着。

さて、今日はさんとの密会オフなのだ。むふふふ。さっそく待ち合わせ場所のドトールを探す。できたばかりの駅ビルの中をしばらくウロウロするが見つからない。駅員のオッサンに聴いてみても分からないということで、一旦駅ビルから出てみるがやはり見つからない。15分ほどうろうろしてようやく飲食街の中に目的のドトールを発見。うへー。

まだ待ち合わせの時刻まで大分時間があるので、コーヒーを飲みつつ「コインロッカー・ベイビーズ」を読み続ける。ぐわーっと集中して読んでしまい、ふと時計を見るともう待ち合わせの時刻になっていた。店内をぐるりと見回してみてもそれらしい人はいないので、とりあえず本を読むのは中断して黒さんの到着を待つ。

本を読むのを止めた途端、女性1人の客ばかりが店に入ってくる。その度に「あ、この人かなー」などと妄想を抱いて相手をじっと見つめてしまい、不気味がられる。うーむ、しくしく。でも黒さんが入ってきた時にはすぐに分かりましたよ、やっぱりお互い初対面だからキョロキョロしてて分かりやすいんでしょうかね。

「犬が逃げまして」という初対面の挨拶に爆笑し、早速日記ネタの内緒話をちらほらと。コーヒー飲みつつあれこれ話し始めると、僕がテーブルの上に置いていた「コインロッカー・ベイビーズ」をめくってみていたので、本読みに違いないと確信を持つ。

しばしドトールでグリーンジャイアントネタ等について歓談後、秋田駅前をぶらぶらと歩き回る。昨日お客さんが教えてくれた「おいしい紅茶の葉」を入手できる店に向かうが、残念ながら棚卸しの為休業とのこと。

駅ビルの中で昼食withビールで〆。日記だの小説だのの話題で何だか妙に盛り上がってしまったので帰りの新幹線を遅くしようかなどと企むものの、僕は夕方東京で別件の用事が入っていたために断念。ニナの分までおみやげもらい、新幹線のホームまで見送ってもらって東京に帰ってきました。ありがとね。

それにしても、黒さん、僕と同い年には見えないですねえ(きゃー)。いやいや、良い意味で。勢いもあるし明るいし、何だかとても素敵でした、はい。日記に対する姿勢も真摯でしたし結構ちゃんと考えてやってるんだな、などと感心したり。次回は本格的な飲みというヤツで行きましょう。いえーい。

そんなこんなで僕を乗せた「こまち」は、東京に向けて走り始めたのであった。



Hey Lula / Yen Chang


帰りの新幹線も隣はいびきをかくオヤヂ。

僕はオヤヂの酒臭い息から逃げるように一心不乱に「コインロッカー・ベイビーズ」を読む。読む。読む。宇都宮を過ぎた頃にようやく読了。はー、本の厚さと比較してすごく密度が濃いから、読むのにとっても時間がかかった。やっぱり村上龍の中ではこれが一番好きだ。文章に余裕がなくてぎすぎすしてるんだけど、その余裕のなさが真摯な感じがしてとても良い。何度読んでも読み飽きないけど、あまりしょっちゅう読んで飽きるのが恐いので、今後も一年に一度ぐらいにしておきたい。

そうそう、黒さんは村上春樹の中では「ねじまき鳥クロニクル」が一番好きだと言ってたな。「ねじまき鳥クロニクル」の評価って、僕にはまだできない。あまりにも難解で、頭がついていけなかったというだけなんだろうけれども。もうしばらくしたら気合を入れて再読しようとは思っているんだけれども。ちなみに僕が村上春樹で一番好きなのは、「ダンス・ダンス・ダンス」。

あーだこーだと考えているうちに新幹線は東京駅のホームへと滑り込む。気温はひょっとしたら東京の方が低いんじゃないだろうか。それぐらい今日の秋田は穏やかだった。

時間が中途半端に余っているので会社に寄ることにする。中央線に乗って無人の事務所へ。書類の整理をしたり伝票を書いたり。ふと気付くともうそろそろ出かけないといけない時刻に。

再び荷物を担いで電車に乗り、原宿へ。



Shakti / Yen Chang


原宿駅前で友人達と待ち合わせ。毎度の顔やお久し振りの顔を眺めつつ、地下にある面白いマスターの店へ。

食事をしたり飲んだりしながら友人を襲った大変な災難について話を聞く。うまく励ますこともできなくて、ただ話を聞くことぐらいしかできなかった。

店を出て竹下通りで何故かプリクラ。なかなかうまいこと決まらなくて難儀するものの、最終的にはなかなかキレイに撮れました。で、結局あのプリクラって誰が持ってるの?(私信)。僕にも分けて下さい。

プリクラ屋さん(という分類が存在するのかどうかは知らないが)を出ようと思うと大粒の雨が。近くのコンビニで傘を買うはずが、何故か肉まんを買うことに。友人は「肉まん〜」と叫び声を上げて走っていた。ああ。雨宿りしながら肉まんだのブリトーだのお茶だのゴマ入りチキンカツサンドだのを頬張って体を温める。

「○○さん、表参道って、上り坂だったんですねー」

「おぅ、最近不景気だからねー」

などと不明な会話を交わしていると現場を通り過ぎてしまう。ちょろっと後戻りする。

「○○さん、表参道って、下り坂だったんですねー」

「おぅ、最近不景気だからねー」

などと訳の分からない状態で現場へ。バーボンだのウォッカだのジンだの。

BGMがえんちゃんぽくてすごくカッコ良いので店員さんに質問してみる。ロンドン系のテクノオムニバスで、「Hospital」というタイトル、アーティスト名は「Ultrasound」だった。日本版も出ているようなので、今度の休みにWAVEに出かけてみよう。

写真家の友人がデジカメを取り出してシャッターを切る姿を眺めて感心する。有言実行という言葉がぴったりだ。場所や照明等の物理的なシチュエーションは同じでも、僕には彼と同じものは絶対に撮れない。

いつの間にやら夜も更けてきたのでお開きに。タクシーに乗り込む友人の背中を見ていて、ちょっと悲しくなった。「頑張れ」という言葉には、何の意味もないことを改めて知りつつも、他に何の言葉も持ちえない僕はひどく無力に感じられた。

吉祥寺からタクシー。アホな運転手に罵声を浴びせたいのを必死にこらえつつようやく帰宅。日記を書こうかと思っていたのに、アホな運転手のせいですっかり気力が萎えてしまい、さっさと眠ることに。

それにしても、非常に充実していて長い一日だった。




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