自己実現・自己啓発書評

「やりたいこと」が見つかる思考のヒント

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午堂登紀雄さん著、「「やりたいこと」が見つかる思考のヒント」という本を読んだのでご紹介しよう。

僕は本やブログを執筆したり、YouTubeやセミナーでお話をしたり、コンサルティングを行ったりという仕事をしている。

好きなことを仕事にしているという自覚はあるが、では自分がどうやってやりたいことを見つけたか。

その点が気になった。

好きなことを仕事にしたのか?それとも仕事をしていたら好きになったのか?

そのモヤモヤを言語化したくて本書を手に取った。

さっそく紹介しよう。

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「やりたいことがないのは悪いこと」ではない

世の中の風潮が「好きなことをやろう」「やりたいことをやろう」となっている。

他人事のように書いたが、僕自身「サラリーマンだけが知らない 好きなことだけして食っていくための29の方法」という本を出版しているので、煽っている側の人間だろう。

好きなことをやれることは楽しいことだとは思う。

ましてや、好きなことを仕事にできれば尚嬉しいだろう。

しかし、裏を返し「やりたいことがない」「好きなことがわからない」状態は「悪いこと」だろうか。

午堂さんはそうではないと書いているし、僕もそうではないと思う。

そもそも人類の長い歴史において、「働く」とは「食べていくため、生きていくため」にするものだった時代が圧倒的に長い。

「やりたいことをやろう」、ましてや「好きなことを仕事にしよう」と言うのは、ここ数年登場した、新たな概念である。

つまり、「やりたいことがない」状態が普通であり、「やりたいことをやっている」状態の方が特殊なのだ。

なので、やりたいことがないことが悪いこととか、やりたいことを探さなければならないという焦りは必要ない。

やりたいことがないのが当たり前であるという前提で日々を生きよう。

やりたいことは見つかるものではなく、やってみて気付くもの

「やりたいことを探す」という言葉を聞くが、少々違和感を感じる。

やりたいことは、探して見つかるものではないと感じるのだ。

この点も本書の午堂さんの主張に僕も全面的に同意する。

やりたいこととは、やってみて初めて「楽しい」とか「向いている」と感じるものだ。

やる前から「圧倒的にやりたい」というような出会いはないのだ。

例えば僕自身の例でいうと、「ブログ」との出会い。

結果としてブログが僕の人生を劇的に変えてくれたことは間違いない。

そして、今僕はブログを書くことが何よりも楽しいし、ブログを仕事にできていることが心から嬉しい。

しかし、ブログをスタートした時、「これこそ僕が人生を賭けてやりたいことに間違いない!!ブログを収益化して人生を劇的に変える!!!」と思ってスタートしたか。

残念ながらそうではない。

当時の僕はサラリーマンとして働く時間と、憂さ晴らしで飲んだくれる時間しか持っていなかった。

「せめて何か自分のために前向きなことをやろう」と思い、いくつか思いついた候補の中からブログを選んだ。

ブログをスタートしたときは、もちろんワクワクはしたが、「プロブロガーになる」とも思っていなかったし、そもそもプロブロガーという存在も知らなかった。

風の噂で「ブログからブレイクして、本を何冊も出版している有名な人が存在するらしい」と知っていた程度だ(のちにそれは勝間和代さんだったことが判明した)。

それが実際にブログを始め、日々更新することで、少しずつ面白くなっていった。

知らない人がコメントをくれたり、書評を書いたら著者の方がお礼のメールをくれたりした。

当時の僕は「著者 = 異次元の宇宙人」くらいに思っていたので、ブログが持つ力に驚くと同時に、少しずつのめり込んでいったのだ。

僕はやりたいことを、「やる前に見つける」のは無理なのではないか、と思っている。

とりあえず興味があることをやってみて、「楽しい」「のめり込む感覚がある」があれば、それを続ければいい。

また、やってみたけどあまり楽しくないなら、止めて他のことをやってみればいい。

やりたいことは全力で働いたあとに見つかるもの

やりたいことは、納得感、やり切った感の後に見えてくるものではないか。

午堂さんは若いときは、徹底的に仕事に打ち込み、自分の力を高めることに集中したという。

午堂さんは以下のように書いている。

「 家に帰って15分後には寝て、起きたらシャワーだけを浴び、30分以内で仕事に行く。プライベートで遊ぶことも趣味を楽しむこともまったくありませんでしたが、もともと「仕事以外は何もしない」と決めていたので、何の問題も感じませんでした」。

僕自身にも似たような経験があった。

20代後半の頃に、勤務先の営業の仕事で、僕が会社の売上が何倍にもなるような巨大プロジェクトの受注に成功したのだ。

その仕事を成功させるために、僕は昼は営業の仕事をし、夕方からは制作スタッフに加わって毎晩夜中まで働いた。

給与体系の関係で制作スタッフには残業代が出たが、僕には残業代が出なかった。

しかしそんなことは一切気にしていなかった。

当時の僕は自分がやっている仕事を「やりたいこと」とは思っていなかった。

しかし、与えられた仕事に強い使命感とやり甲斐は感じていた。

お客様の信頼を得てプロジェクトの受注に成功した。

だから何が何でも良い製品を納品してプロジェクトを成功させるとともに、安定的な大口顧客に育てていきたい。

僕は本気でそう考え、全身全霊で頑張り続けた。

結果プロジェクトが成功するとともに、僕は大口顧客の一本釣りの営業ノウハウを手に入れた。

その後も何社か僕は会社の売り上げが倍増するような大口顧客の開拓に成功し、社長の右腕のポジションに就いた。

そして何度か大きな危機とチャンスを経験し、僕の中に「この仕事はもうすべてやりきった」という気持ちが生まれた。

そのタイミングで僕はブログと出会ったのだ。

人生において、最初から「やりたいこと」「好きなこと」を仕事にできる人は少ないだろう。

実力不足、キャリア不足では、自分で自分の人生を切り開くことは難しい。

まずは与えられた仕事を全力でこなし、自らの力をつけるとともに、「やり切った感」「納得感」を得ることが大切だ。

一つのことをやり切れば実力もつくし、自分の視座も高くなり、かつては見えなかった新しい世界が見えるようになる。

やりたいことが見つからないということは、まだやりたいことで生きていくフェーズではないと捉えるべきではないかと思う。

まとめ

やりたいことをやる、ましてや、やりたいことを仕事にできたら最高だろう。

僕自身今の仕事は最高に楽しいし、天職だと思っている。

しかし、午堂さんも僕も、若い時からやりたいことと巡り会い、やりたいことで生活をできてきたわけではない。

組織に属し、与えられた仕事を必死でこなし、実力をつけるとともに経験を積んできた。

若い時に全力で仕事をすることは、「「やりたいことに偶然出会える可能性を高めるための、物事への関わり方」という、自分自身のチューニング」になる。

やりたいことを見つけるためには、常にアンテナを張り行動を続けることが大切になる。

じっと「どこかにやりたいことが転がっていないかな」と待っていても、やりたいことは見つからないだろう。

常に自分を磨き視座を高め、視野を広げ、チャレンジしてみることで、やりたいことと出会える確率は上がっていくと思う。

いろんなことに何度もチャレンジし続けることで、いつか天職との出会いが訪れるだろう。

素晴らしい一冊でした。オススメです!!

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「やりたいこと」が見つかる思考のヒント

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